16. ブラキシズムが歯の変位に及ぼす影響
「目的」我々は, これまでにブラキシズムが歯根膜機能に及ぼす影響を検討するために, 歯根膜の判別閾を用いて検討してきた. その結果, 正常者群がブラキシズム群より有意に大きな値となり, ブラキシズム群は正常者群に比べ歯根膜感覚が鋭敏であることが判明した. このようにブラキシズムは歯根膜の判別閾に影響を及ぼしていることから, ブラキシズムの有無により歯の変位様相も異なることが考えられる. そこで今回ブラキシズムが咬みしめ時の歯の変位様相に及ぼす影響について検討した. 「方法」被験者は, 当教室医局員および歯学部学生の中から, 顎口腔系の機能に自覚的, 他覚的に異常の認められない研究協力への同意の...
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Veröffentlicht in: | 昭和歯学会雑誌 2007, Vol.27 (4), p.319-319 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」我々は, これまでにブラキシズムが歯根膜機能に及ぼす影響を検討するために, 歯根膜の判別閾を用いて検討してきた. その結果, 正常者群がブラキシズム群より有意に大きな値となり, ブラキシズム群は正常者群に比べ歯根膜感覚が鋭敏であることが判明した. このようにブラキシズムは歯根膜の判別閾に影響を及ぼしていることから, ブラキシズムの有無により歯の変位様相も異なることが考えられる. そこで今回ブラキシズムが咬みしめ時の歯の変位様相に及ぼす影響について検討した. 「方法」被験者は, 当教室医局員および歯学部学生の中から, 顎口腔系の機能に自覚的, 他覚的に異常の認められない研究協力への同意の得られた12名を用いた. これらの被験者の夜間睡眠時の咬筋活動を記録し, ブラキシズム様の強い筋活動の有無を確認した. 歯の変位は, 二次元微小変位計を用い上下顎第一大臼歯の咬みしめ時の歯の変位を記録した. 記録方向は上下方向と頬舌方向とし, MacLabによりAD変換し, パーソナルコンピューターに記録した. 「結果と考察」咬みしめ時の変位方向は上下顎において全ての被験者が口蓋側, 舌側方向への回転成分の強い変位を示したが, ブラキシズムの有無による変位方向の明らかな差はなかった. 一方, 咬みしめ時の最大変位量は上下顎ともにブラキシズム群の方が有意に大きな値となった. ブラキシズムの歯の変位への影響は, 変位方向よりも変位量に現れる可能性があると考えられるが, 今後さらに咬合力による荷重変位特性についても検討する予定である. |
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ISSN: | 0285-922X |