口腔扁平上皮癌一次症例の治療成績の検討

悪性腫瘍患者に対する治療の有効性, 問題点を明らかにするために, 昭和大学歯科病院旧第一口腔外科で治療を行った口腔扁平上皮癌1次症例251名の治療成績をI期 (1990年以前) とII期 (1991年以降) に分けて検討した.その結果, I期症例の累積生存率は5年時に77.4%, 10年時に71.8%であったのに対し, II期は5年時, 10年時とも79.4%と全体では治療成績の向上が認められた.部位別の累積生存率は頬粘膜, 舌, 下顎歯肉で高く, 上顎歯肉で低かった.I期と比べII期のT分類別5年累積生存率は, T2では上昇したものの, T3, 4では低下していた.I期と比べII期のN分類別...

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Veröffentlicht in:昭和歯学会雑誌 2004/09/30, Vol.24(3), pp.277-286
Hauptverfasser: 松井, 義郎, 大野, 康亮, 松浦, 光洋, 山崎, 善純, 代田, 達夫, 片岡, 竜太, 森, 紀美江, 道脇, 幸博, 高橋, 浩二, 立川, 哲彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:悪性腫瘍患者に対する治療の有効性, 問題点を明らかにするために, 昭和大学歯科病院旧第一口腔外科で治療を行った口腔扁平上皮癌1次症例251名の治療成績をI期 (1990年以前) とII期 (1991年以降) に分けて検討した.その結果, I期症例の累積生存率は5年時に77.4%, 10年時に71.8%であったのに対し, II期は5年時, 10年時とも79.4%と全体では治療成績の向上が認められた.部位別の累積生存率は頬粘膜, 舌, 下顎歯肉で高く, 上顎歯肉で低かった.I期と比べII期のT分類別5年累積生存率は, T2では上昇したものの, T3, 4では低下していた.I期と比べII期のN分類別累積生存率は, NOで上昇し, N1, 2で低下していた.I期と比べII期のStage分類別5年累積生存率は, StageIIで上昇していたが, StageI, III, IVで低下していた.治療法別累積生存率は, 手術単独あるいは手術と化学療法併用のほうが, 三者併用療法よりも高かった.以上の結果から今後, とくに進行癌患者に対する新たな治療法を積極的に開発するとともに, 一定以上の治療技術を持つ人材を育成することの必要性が示唆された.
ISSN:0285-922X
2186-5396
DOI:10.11516/dentalmedres1981.24.277