移植歯の保存方法に関する基礎的検索: 保存液へのトレハロースの添加
歯の移植・再植の成功は歯根膜組織が密接に関与しており, これまで我々は臓器保存液であるUW液 (University of Wisconsin Solution) を使用して歯根膜組織の活性を長期間保持することを可能にした.そこで我々はさらなる長期保存方法を確立することを目的として, 保存液であるUW液と生理的食塩水にトレハロースを添加し, 氷温保存および凍結保存したヒト歯根膜由来線維芽細胞の生物学的活性を検索した.その結果, 細胞接着性試験および細胞増殖性試験のいずれにおいても, 生理的食塩水保存例と比較してUW液保存例が良好であった.また保存方法では氷温保存群が凍結保存群と比較して良好であ...
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Veröffentlicht in: | 昭和歯学会雑誌 2004/06/30, Vol.24(2), pp.127-138 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 歯の移植・再植の成功は歯根膜組織が密接に関与しており, これまで我々は臓器保存液であるUW液 (University of Wisconsin Solution) を使用して歯根膜組織の活性を長期間保持することを可能にした.そこで我々はさらなる長期保存方法を確立することを目的として, 保存液であるUW液と生理的食塩水にトレハロースを添加し, 氷温保存および凍結保存したヒト歯根膜由来線維芽細胞の生物学的活性を検索した.その結果, 細胞接着性試験および細胞増殖性試験のいずれにおいても, 生理的食塩水保存例と比較してUW液保存例が良好であった.また保存方法では氷温保存群が凍結保存群と比較して良好であり, 長期間の保存でも細胞の機能を保持することが可能であった.トレハロースは添加濃度の違いによる明らかな差異を認めなかったが, 接着および細胞増殖試験において良好な結果を得られたことから, 有用であることが示唆された. |
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ISSN: | 0285-922X 2186-5396 |
DOI: | 10.11516/dentalmedres1981.24.127 |