口腔内に発症した脂肪腫の22例の臨床的検討

脂肪腫は, 脂肪組織からなる限局性の発育を示す非上皮性良性腫瘍である. 主として皮下組織に発生し, 全身における良性腫瘍の中で占める割合は4~5%と報告されている1). 口腔領域での発症は比較的稀とされ, 口腔領域の良性腫瘍の2~5%前後2)を占めるとされる. 今回我々は, 1984年から1998年までの15年間に経験した22例の口腔領域脂肪腫について臨床的検討を行い, 結果, 若干の知見を得たのでここに報告する. 結果 1984年から1998年までの15年間に当科を受診し, 生検にて診断が確定している口腔領域の良性腫瘍について統計学的検討を行った. その結果, 総症例数は289例で, その...

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Veröffentlicht in:昭和歯学会雑誌 2000/12/30, Vol.20(4), pp.485-488
Hauptverfasser: 滝沢, 邦生, 上條, 竜太郎, 羽鳥, 仁志, 南雲, 正男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:脂肪腫は, 脂肪組織からなる限局性の発育を示す非上皮性良性腫瘍である. 主として皮下組織に発生し, 全身における良性腫瘍の中で占める割合は4~5%と報告されている1). 口腔領域での発症は比較的稀とされ, 口腔領域の良性腫瘍の2~5%前後2)を占めるとされる. 今回我々は, 1984年から1998年までの15年間に経験した22例の口腔領域脂肪腫について臨床的検討を行い, 結果, 若干の知見を得たのでここに報告する. 結果 1984年から1998年までの15年間に当科を受診し, 生検にて診断が確定している口腔領域の良性腫瘍について統計学的検討を行った. その結果, 総症例数は289例で, その内訳は乳頭腫が72例(26%)と最も多く, 次いで血管腫64例(23%), 線維腫51例(19%), 多形性腺腫33例(12%)の順であった. 線維脂肪腫2例を含む脂肪腫は22例で全体の8%であった. 次に22例の脂肪腫について性差, および年齢別症例数について検討した. 性差は, 男性13人, 女性9人と, やや男性に多い傾向を示した. また, 年齢に関しては, 60歳台が10例と最も多く, 次いで50歳代が6例であった. なお, 30歳代以下の症例は認められなかった.
ISSN:0285-922X
2186-5396
DOI:10.11516/dentalmedres1981.20.485