当教室におけるクラウン・ブリッジの統計的観察
近年, 歯科医療における新材料, 術式の発展がめざましく, 患者の審美性に対する関心も高まっている. そこで, 歯冠補綴治療の現状を把握することを目的とし, 平成3年度において第一補綴科で装着したクラウンおよびブリッジの数, 種類, 支台歯歯髄の有無, さらに診療報酬支払い方法について調査を行った. クラウンとブリッジの総数は1,116件で, クラウンが903個(81%), ブリッジが213ユニット(19%)であった. クラウンにおいて, 自費診療の陶材焼付鋳造冠が前歯部では69%, 小臼歯部では27%であり, また前歯部のポーセレンラミネートベニアも8例あり, 審美性を重視する傾向がうかがわ...
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Veröffentlicht in: | 昭和歯学会雑誌 1993, Vol.13 (1), p.54-55 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年, 歯科医療における新材料, 術式の発展がめざましく, 患者の審美性に対する関心も高まっている. そこで, 歯冠補綴治療の現状を把握することを目的とし, 平成3年度において第一補綴科で装着したクラウンおよびブリッジの数, 種類, 支台歯歯髄の有無, さらに診療報酬支払い方法について調査を行った. クラウンとブリッジの総数は1,116件で, クラウンが903個(81%), ブリッジが213ユニット(19%)であった. クラウンにおいて, 自費診療の陶材焼付鋳造冠が前歯部では69%, 小臼歯部では27%であり, また前歯部のポーセレンラミネートベニアも8例あり, 審美性を重視する傾向がうかがわれた. 一方, 大臼歯部においては, 全部鋳造冠が95%を占め, 強度や耐久性を重視する傾向が強かった. なお, 平成2年度において装着例が見られたレジン前装鋳造冠, ポーセレンジャケット冠は1例もなかった. 支台歯については無髄支台歯が89%と圧倒的に多く, 有髄支台歯はわずか11%であった. ブリッジにおいては, 臼歯部が129ユニット(60.6%), 前歯部が44ユニット(20.6%), 前歯部から臼歯部に及ぶ複合型が40ユニット(18.8%)であった. 前歯部ブリッジの72%, 複合型の42%が自費診療で, 臼歯部においては保険診療の割合が高く, クラウンの場合と同様に, 前歯部において審美性を重視する傾向が強かった. 欠損歯数と支台歯数との関係は, すべての部位において1歯欠損2本支台歯が多かった. また, 複合型では1歯欠損および2歯欠損の場合3本支台歯が, 前歯部では4本支台歯が多い傾向にあった. これは, 支台歯の位置関係, 咬合様式, 支台歯の負担能力の差異が関与しているためと考えられる. 支台歯歯髄は, クラウンの場合と同様に, 無髄支台歯が70%と多数を占めていた. 引き続き, 調査の省力化をはかり歯冠補綴治療の経年的変化を観察する予定である. |
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ISSN: | 0285-922X |