口唇機能時における口腔の露出度について
近年, クラウンブリッジの分野においても, 患者の審美的要求が強くなる傾向にあり, 歯の欠損や実質欠損にともなって失われた口腔の機能を回復すると同時に審美的な面についても十分な配慮をする必要がある. 歯冠補綴を行う際, 口唇の機能時における歯と歯肉の露出状態を把握しておくことは, 補綴物の種類や前装範囲等を決定する上で重要なことである. そこで, 今回, 矯正治療中の者を除外した被験者116名(年齢:22~33歳, 男性:70名, 女性:46名)を用い, 発音時とスマイル時のビデオ撮影を行い, 歯と歯肉の露出状態についての観察を行った. 撮影方法は, ビデオカメラを被験者の正面と左45°の位置...
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Veröffentlicht in: | 昭和歯学会雑誌 1991, Vol.11 (4), p.492-492 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年, クラウンブリッジの分野においても, 患者の審美的要求が強くなる傾向にあり, 歯の欠損や実質欠損にともなって失われた口腔の機能を回復すると同時に審美的な面についても十分な配慮をする必要がある. 歯冠補綴を行う際, 口唇の機能時における歯と歯肉の露出状態を把握しておくことは, 補綴物の種類や前装範囲等を決定する上で重要なことである. そこで, 今回, 矯正治療中の者を除外した被験者116名(年齢:22~33歳, 男性:70名, 女性:46名)を用い, 発音時とスマイル時のビデオ撮影を行い, 歯と歯肉の露出状態についての観察を行った. 撮影方法は, ビデオカメラを被験者の正面と左45°の位置に2台設置し, 口唇の高さで光軸がFH平面と平行になるように頭部を安頭台で固定し, “ア”“イ”“シ”“セ”“ツ”の発音とスマイル時の口唇の動きをビデオテープに記録した. 記録後再生し, 必要に応じて静止画像を製作し, 歯と歯肉の露出状態についての観察を行った. その結果, スマイル時に露出する上顎の唇側歯冠部は, 前歯と第一小臼歯でほぼ100%, 第二小臼歯で82%, 第一大臼歯で24%であった. 下顎では, 前歯部と第一小臼歯では“イ”発音時に, 第二小臼歯と大臼歯部では“ア”発音時に, 歯冠部が露出し, 前歯部でほぼ100%, 第一小臼歯, 第二小臼歯, 第一大臼歯, 第二大臼歯になるにつれて可視範囲は90%, 74%, 48%, 14%と減少した. 歯肉の露出する状態は, 上顎ではスマイル時であり, 前歯部で66~77%, 第一小臼歯で49%, 第二小臼歯で28%であった. 下顎では“イ”発音時であり, 中切歯と側切歯で35~45%, 犬歯で25%, 第一小臼歯で7%であった. 上下顎とも他の被験条件において歯肉が露出することは稀であった. |
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ISSN: | 0285-922X |