歯周ポケット内洗浄による臨床的および細菌学的影響について

成人型歯周炎における歯周ポケットに対して歯肉縁上プラークコントロールと歯周ポケット内洗浄を行うと歯周病変および歯肉縁下細菌叢にどのような影響を及ぼすのか, 臨床診査, 細菌検査を行い検索した. 本実験では5mm, GI2の歯周ポケットを有する成人型歯周炎に罹患した患者9名(男性3名, 女性6名, 平均年齢51歳)を被検者とした. 実験群(20歯)には歯周ポケット内洗浄を週2回4週間行い, スクラビング法によるブラッシングと歯間清浄用具にて歯肉縁上プラークコントロールを指導した. 対照群(25歯)には歯肉縁上プラークコントロールの指導のみを行った. 両群における臨床診査はPlaque Index...

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Hauptverfasser: 華岡千佳子, 桜井千里, 南崎信樹, 大竹徹, 鈴木基之, 宮下元
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:成人型歯周炎における歯周ポケットに対して歯肉縁上プラークコントロールと歯周ポケット内洗浄を行うと歯周病変および歯肉縁下細菌叢にどのような影響を及ぼすのか, 臨床診査, 細菌検査を行い検索した. 本実験では5mm, GI2の歯周ポケットを有する成人型歯周炎に罹患した患者9名(男性3名, 女性6名, 平均年齢51歳)を被検者とした. 実験群(20歯)には歯周ポケット内洗浄を週2回4週間行い, スクラビング法によるブラッシングと歯間清浄用具にて歯肉縁上プラークコントロールを指導した. 対照群(25歯)には歯肉縁上プラークコントロールの指導のみを行った. 両群における臨床診査はPlaque Index, Gingival Index, probing pocket depth, 細菌検査は歯肉縁下プラークを採取し, 位相差顕微鏡下で運動性細菌数(運動性桿菌数+スピロヘータ数), 微生物密度の計数を行った. 実験の結果, 1)Plaque Indexは両群とも0週と比べ4週時に有意に減少した. 2)Gingival Indexは, 4週時には両群ともに0週と比較して近い値を示し, 両群問では実験群が有意に低い値を示した. 3)probing pocket depthは, 実験期間を通じて両群問に有意差は認められなかったが, 4週時では0週と比べ両群で有意に近い値を示し, 実験群の方が低い値を示した. 4)細菌検査結果では, 運動性細菌数, 微生物密度ともに4週時では0週と比べ両群で有意に低い値を示し, かつ両群間の比較では, 実験群で有意に低い値を示した. 以上の結果から, ポケット内洗浄によりポケット内に浮遊したプラークを直接除去することは, 臨床的にも細菌学的にも歯周疾患の治療に有益であると思われる.
ISSN:0285-922X