MKG-K6を用いた小児の下顎運動計測の再現性についての研究

小児の下顎運動の観察を臨床の場でより普遍化する目的で, 咬合異常や顎機能に異常を認めない, Hellman's Dental stageのII AないしII C, 平均暦齢5歳5か月の15名の小児の下顎運動をMKG K6 systemを用いて計測し, その再現性について検討した. 下顎運動の, 計測は, 異なる口にわけ二度行ったが, 計測中に生じるノイズや被験児の頭部の動揺による, 計測結果への影響が最小限となるよう計測条件の整備に努めた. 記録は十分な練習の後, 運動の安定したことを確認し, a)習慣性最大開□の矢状面, 前頭面上の軌跡と速度, b)下顎安静位の三次元的観察そしてc...

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Hauptverfasser: 佐々木洋, 小林廣之, 川村卓也, 鐘ヶ江晴秀, 柴崎好伸, 福原達郎, 藤岡万里, 湖城秀久, 鈴木康生, 佐々竜二
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:小児の下顎運動の観察を臨床の場でより普遍化する目的で, 咬合異常や顎機能に異常を認めない, Hellman's Dental stageのII AないしII C, 平均暦齢5歳5か月の15名の小児の下顎運動をMKG K6 systemを用いて計測し, その再現性について検討した. 下顎運動の, 計測は, 異なる口にわけ二度行ったが, 計測中に生じるノイズや被験児の頭部の動揺による, 計測結果への影響が最小限となるよう計測条件の整備に努めた. 記録は十分な練習の後, 運動の安定したことを確認し, a)習慣性最大開□の矢状面, 前頭面上の軌跡と速度, b)下顎安静位の三次元的観察そしてc)ガム咀嚼運動の3要素について行った. 定量的計測の再現性の評価は, 距離的計測について5項目, 速度について2項目を設定し分析した. ガム咀嚼運動の解析は, Peter Proshel(1987)の分類を改編した分類法によった. すなわち前頭面での咀嚼運動の軌跡を, 開口路, 閉口路それぞれ3系統に区分し, その組合せで9種類の類型に分類した上で, 各類型ごとの出現数の2日間の不一致数をもって再現性を評価した. 本研究の結果, 小児におけるMKGを用いた下顎運動の計測について, 次のことが示唆された. 1. 定量的計測のうち, 距離的計測の再現性は余り高くなく, 信頼のおける計測結果を得るためには, 下顎運動の安定を十分に確認する必要があり, また数回にわたる再現性の確認が必要である. 2. 小児においては, 被験者としての学習効果が認められ, 距離的計測項目では, 2回目の計測値が大きくなる傾向がある. 3. 習慣性開閉運動の最大速度については, 開口時, 閉口時ともに再現性は高い. 4. ガム咀嚼運動については, そのChewing patternの出現は, 各個体で再現性は極めて高い.
ISSN:0285-922X