根管拡大, 洗浄時の形態学的変化に関する研究

根管治療の三大要項の一つである根管の拡大・清掃は重要な処置であるが, 根管形態の複雑性, 根管拡大, 清掃法等により, 実際の臨床では非常に難しいことが多い. 今回, われわれは無蒸着法によって試料を観察し, これらの根管が洗浄法の違いによってどのように変化するかについて比較検討した. 洗浄時には8%NaOCl, 3%H_2 0_2 ,15%EDTA, 器具にはK TypeのFileと超音波, 拡大法にはConventional method, One step back method, Step back method, Series preparation methodを用い, 根管拡大・...

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Hauptverfasser: 古川篤治, 町田孝, 佐野哲臣, 松本光吉
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:根管治療の三大要項の一つである根管の拡大・清掃は重要な処置であるが, 根管形態の複雑性, 根管拡大, 清掃法等により, 実際の臨床では非常に難しいことが多い. 今回, われわれは無蒸着法によって試料を観察し, これらの根管が洗浄法の違いによってどのように変化するかについて比較検討した. 洗浄時には8%NaOCl, 3%H_2 0_2 ,15%EDTA, 器具にはK TypeのFileと超音波, 拡大法にはConventional method, One step back method, Step back method, Series preparation methodを用い, 根管拡大・洗浄後, 根管を縦断し, 歯根表面にアンダーカットを付与し, スーパーボンドにて歯質の補強を行い, アルコール列で脱水, 臨界点乾燥後, 無蒸着にて観察, 撮影した. その後アルコール列で浸水処置を行い, 各種の根管洗浄, 脱水, 臨界点乾燥後, 無蒸着にて観察・撮影した. さらにアルコール列で浸水処置を行い, 各種の根管洗浄, 脱水, 臨界点乾燥後, 白金蒸着を施し, 観察・撮影を行った. この試料作製法は, 同一試料を用いて, 根管洗浄効果を連続的に観察できる利点がある. 以上の実験により, 最も不良であったグループは8%NaOCl単独の洗浄法で, 最もよかったグループは8%NaOClと3%H_2 0_2 ,さらに15%EDTAと超音波を併用したグループであった. 根管拡大法の種類によって, 根尖部のDebrisの除去効果にどのような変化や差が生じるかは, 今回の実験では明らかにできなかったが, Step back method, Series preparation methodによる根管拡大法は有効であることが示唆された. 今後, 実験方法をできるだけ臨床に近い条件下で行い, 根管拡大法と洗浄効果などに関する詳細な検討を研究課題としたい.
ISSN:0285-922X