欠損歯列における下顎「支持域」の回復

正常な咬頭嵌合関係は小臼歯, 大臼歯の咬合接触により支えられておりこれらを下顎「支持域」と呼んでいる. この報告は「支持域」を構成する咬合接触を順次除去したときの下顎位の変化の様相を口内法により上下顎間距離の変化として測定すると同時にチェックバイト法により顆頭位の変化として測定したものである. 測定の結果次の結論が得られた. 1) 下顎「支持域」を構成する大臼歯, 小臼歯部の咬合接触が消失すると上下顎間距離は6 6部位でしだいに減少した. 2) 下顎「支持域」を構成する大臼歯, 小臼歯部の咬合接触が消失すると下顎顆頭は消失側で前上方へ変位する傾向が示された. 3) 上下顎間距離および穎頭位の変...

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Veröffentlicht in:昭和歯学会雑誌 1986, Vol.6 (2), p.121-133
Hauptverfasser: 五十嵐順正, 原田雅弘, 芝樺彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:正常な咬頭嵌合関係は小臼歯, 大臼歯の咬合接触により支えられておりこれらを下顎「支持域」と呼んでいる. この報告は「支持域」を構成する咬合接触を順次除去したときの下顎位の変化の様相を口内法により上下顎間距離の変化として測定すると同時にチェックバイト法により顆頭位の変化として測定したものである. 測定の結果次の結論が得られた. 1) 下顎「支持域」を構成する大臼歯, 小臼歯部の咬合接触が消失すると上下顎間距離は6 6部位でしだいに減少した. 2) 下顎「支持域」を構成する大臼歯, 小臼歯部の咬合接触が消失すると下顎顆頭は消失側で前上方へ変位する傾向が示された. 3) 上下顎間距離および穎頭位の変化に影響を与える部位は大臼歯部よりむしろ小臼歯部の「支持域」であることが明らかとなった. 4) 補綴物の設計において下顎「支持域」を正確に再構成する重要性が示唆された.
ISSN:0285-922X