歯科用銀合金に関する研究

現在金合金の代用合金として市販されている銀合金の中には, 耐力・延性に劣っているものが多い. そこで銀合金を改良するために希土類元素の添加を試みた. 希土類元素は, 金属や合金に少量添加することにより性質を大きく変える効果がある. 今回は純銀の融点に近くしかも入手しやすいサマリウム(Sm)を用いてAg-Sm二元合金を真空溶解法により作製した. これを基本合金(Ag 88%)として, 市販銀合金の組成に準じてZn, Sn, Inを添加した実験合金を試作し, 鋳造体の物性を検討した. その結果, 基本合金は脆性な合金であり, Zn, Inの添加により多少の延性の向上は認められたが, 市販合金の物性...

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Veröffentlicht in:昭和歯学会雑誌 1986, Vol.6 (2), p.89-92
Hauptverfasser: 宮崎隆, 稲用隆史, 鈴木暎, 宮治俊幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:現在金合金の代用合金として市販されている銀合金の中には, 耐力・延性に劣っているものが多い. そこで銀合金を改良するために希土類元素の添加を試みた. 希土類元素は, 金属や合金に少量添加することにより性質を大きく変える効果がある. 今回は純銀の融点に近くしかも入手しやすいサマリウム(Sm)を用いてAg-Sm二元合金を真空溶解法により作製した. これを基本合金(Ag 88%)として, 市販銀合金の組成に準じてZn, Sn, Inを添加した実験合金を試作し, 鋳造体の物性を検討した. その結果, 基本合金は脆性な合金であり, Zn, Inの添加により多少の延性の向上は認められたが, 市販合金の物性を上回るものではなかった. また変色や湯流れなどにも問題があった. これは合金の組成が不適当なこともあるが, 合金の作製方法についても今の方法には限界があるため, さらに研究を続けている.
ISSN:0285-922X