歯科における放電加工について
金属加工において, 従来より種々の方法が提案されているが, 1940年代よりそれまでとまったく異なり, 加工部に直接エネルギーを加えて加工する電気加工法が行われるようになった. 歯科用金属においては, 従来の貴金属中心から, Ni-Cr, Co-Crなど卑金属系の需要が高まっている. これらの金属は, 耐食性, 強度ともすぐれているが, 速く精密に加工するのは非常に難しく, 新しい加工法の開発が待たれていた. 機械加工は, 材料と工具の硬さ, 強さの差を利用したものであるため, 加工性能に限界があるのに対し, 電気加工は, 材料の構成原子に直接エネルギーを加えて加工する方法なので硬さに関係なく...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 金属加工において, 従来より種々の方法が提案されているが, 1940年代よりそれまでとまったく異なり, 加工部に直接エネルギーを加えて加工する電気加工法が行われるようになった. 歯科用金属においては, 従来の貴金属中心から, Ni-Cr, Co-Crなど卑金属系の需要が高まっている. これらの金属は, 耐食性, 強度ともすぐれているが, 速く精密に加工するのは非常に難しく, 新しい加工法の開発が待たれていた. 機械加工は, 材料と工具の硬さ, 強さの差を利用したものであるため, 加工性能に限界があるのに対し, 電気加工は, 材料の構成原子に直接エネルギーを加えて加工する方法なので硬さに関係なく加工することができる. 今回われわれは, 電気加工法中最も実用化されている放電加工を歯科技工操作に応用するに至ったので加工の概要, 加工特性, 加工例について報告した. 加工原理は, 銅電極を加工液中で被加工物と数μm~数10μmに保って対向させ, この間隙を介して加工電源よりパルス的にエネルギーを供給(10^3 ~10^6 回/秒)して被加工物を加工するというものである. 加工に先立ち, 加工電流波高値(IP), 電流パルス幅(τon), パルス休止時間(τoff)の加工条件を設定する. われわれは, 加工条件を電極の消耗量によって低・中・有消耗条件に分類し, 金銀パラジウム, Ni-Cr, Co-Crと性質の異なる3種類の金属の加工特性を比較した. それぞれの金属で, 加工速度, 表面あらさとも最適な条件は異なりさらに検討を加える必要があることがわかった. 次に加工例として76欠損を54支台で補綴する症例で, 5の遠心部に放電加工機を使用して, 自家製のアタッチメントを製作した. 放電加工は複雑な加工でも容易にでき, 振動, 熱が加わらないので義歯完成後でも加工できるなど, 今までの加工法にない多くの利点を持ち, 多方面への応用が考えられるので, 今後さらに検討を加えていく予定である. |
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ISSN: | 0285-922X |