硬組織の生理・薬理研究の過・現・未 (I)

「硬組織の生理及び薬理」という演題は日本薬理学会で約30年間発表を続けるのに用いたもので, 昭和42年(1967)で第100報に達したのと, 私の東京医科歯科大学学長も2期目に入り学長職に専心することになって, これで打ち切ることにしたが, この方向の研究は国内の諸大学のみならず外国でも盛んになった. たとえば当時血清Ca値の変動測定には数mlの血液を要したのでウサギで実験したが今は原子吸光分析法により1滴の血清ですむのでネズミでよいことになり, 硬組織のCaも他の元素と共にX線微量元素分析が可能になった. 当時私達の実験室でもX線廻折装置があり電顕にも手を出したが敗戦を迎えて成績を挙げるに至...

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Veröffentlicht in:昭和歯学会雑誌 1981/09/30, Vol.1(1), pp.5-5
1. Verfasser: 岡田, 正弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「硬組織の生理及び薬理」という演題は日本薬理学会で約30年間発表を続けるのに用いたもので, 昭和42年(1967)で第100報に達したのと, 私の東京医科歯科大学学長も2期目に入り学長職に専心することになって, これで打ち切ることにしたが, この方向の研究は国内の諸大学のみならず外国でも盛んになった. たとえば当時血清Ca値の変動測定には数mlの血液を要したのでウサギで実験したが今は原子吸光分析法により1滴の血清ですむのでネズミでよいことになり, 硬組織のCaも他の元素と共にX線微量元素分析が可能になった. 当時私達の実験室でもX線廻折装置があり電顕にも手を出したが敗戦を迎えて成績を挙げるに至らなかった. 走査電顕法やradioimmunoassayや螢光抗体法が盛んになったのは1970年以降かと思う. とにかく実験方法の進歩発展は著しく, 分子レベルの定量的研究が多くなったのは喜ぶべきことではあるが, その構想では半世紀昔の私達と大差がないように思われる.
ISSN:0285-922X
2186-5396
DOI:10.11516/dentalmedres1981.1.5