研究課題「口腔扁平上皮癌に発現するHPIPはどこからきたのか」
口腔扁平上皮癌の浸潤に関しては, これまで数多くの研究がなされてきたが, 近年においても新しい因子の関与が報告されるなど不明な点が多く残されている. そこで今回の研究入門では, 口腔扁平上皮癌の浸潤メカニズムに関わる因子を実際の臨床標本を用いて解析した. ターゲットとなる遺伝子はHPIPという, 白血病において転写因子を抑制していることが報告されている遺伝子である. このHPIP遺伝子は, 凍結組織切片から癌の浸潤部のみをレーザーマイクロダイセクション法を用いて回収し, 回収した細胞に含まれているタンパク質をLC/MS/MS解析により網羅的に分析した結果見出されたPBIPタンパク質をコードして...
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Veröffentlicht in: | Dental Medicine Research 2011, Vol.31 (3), p.262-262 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 口腔扁平上皮癌の浸潤に関しては, これまで数多くの研究がなされてきたが, 近年においても新しい因子の関与が報告されるなど不明な点が多く残されている. そこで今回の研究入門では, 口腔扁平上皮癌の浸潤メカニズムに関わる因子を実際の臨床標本を用いて解析した. ターゲットとなる遺伝子はHPIPという, 白血病において転写因子を抑制していることが報告されている遺伝子である. このHPIP遺伝子は, 凍結組織切片から癌の浸潤部のみをレーザーマイクロダイセクション法を用いて回収し, 回収した細胞に含まれているタンパク質をLC/MS/MS解析により網羅的に分析した結果見出されたPBIPタンパク質をコードしている.口腔扁平上皮癌凍結組織切片を用いた免疫染色の結果, 図に示すようにHPIPの局在と口腔扁平上皮癌の浸潤に強い相関性が認められた. この結果を基に, レーザーマイクロダイセクション法を用いて, 口腔扁平上皮癌を腫瘍中心部と浸潤先端部に分けて回収し, RNAを抽出, cDNAを合成後, リアルタイムPCR法を用いてHPIP遺伝子発現量を解析した. |
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ISSN: | 1882-0719 |