唇顎口蓋裂児の口唇機能に関する研究: 乳歯列完成期小児の捕食時口唇圧について
唇顎口蓋裂は発生頻度の高い先天異常であり, 治療や療育にはさまざまな分野からのアプローチが必要とされているが, 摂食や口唇閉鎖などの口腔機能面でのアプローチは未だ十分に行われていない. そこで, 唇顎口蓋裂児の口腔機能の発達を解明するために, 小型圧センサを埋め込んだスプーンを用いて片側性唇顎口蓋裂児の口唇正中部, 口唇側方部 (破裂側および非破裂側) の3点から捕食時垂直的口唇圧の測定を行った. 対象は乳歯列完成期の片側性唇顎口蓋裂児 (Cleft群) 23名で, 健常小児 (N群) 25名を対照群とした. 解析項目は, 捕食時口唇圧, 陰圧, 捕食時作用時間, 捕食時圧積分値とし, それぞ...
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Veröffentlicht in: | Dental Medicine Research 2011/07/31, Vol.31(2), pp.113-122 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 唇顎口蓋裂は発生頻度の高い先天異常であり, 治療や療育にはさまざまな分野からのアプローチが必要とされているが, 摂食や口唇閉鎖などの口腔機能面でのアプローチは未だ十分に行われていない. そこで, 唇顎口蓋裂児の口腔機能の発達を解明するために, 小型圧センサを埋め込んだスプーンを用いて片側性唇顎口蓋裂児の口唇正中部, 口唇側方部 (破裂側および非破裂側) の3点から捕食時垂直的口唇圧の測定を行った. 対象は乳歯列完成期の片側性唇顎口蓋裂児 (Cleft群) 23名で, 健常小児 (N群) 25名を対照群とした. 解析項目は, 捕食時口唇圧, 陰圧, 捕食時作用時間, 捕食時圧積分値とし, それぞれについて検討を行った. 捕食時口唇圧はCleft群がN群と比較して正中部で有意に小さかった. 陰圧はCleft群とN群で殆ど差は認められなかった. 捕食時作用時間は, Cleft群がN群と比較して有意に長い値を示した. また, 捕食時圧積分値は両群で有意差はみられず同程度であった. 以上よりCleft群はN群と比較して弱い口唇圧を捕食時の作用時間の長さで代償していることが示唆された. |
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ISSN: | 1882-0719 2186-540X |
DOI: | 10.7881/dentalmedres.31.113 |