輸入リンパ管によるリンパ節内リンパ小節の限局性
リンパ節は支配領域からリンパ液が流入し, その過程で異物が侵入した場合には, 抗原認識と抗体産生という一連の生体防御機構を営むことが良く知られているが, 支配領域は個々のリンパ節に比較して広範囲にわたる. したがって, 支配領域から流入するリンパがリンパ節全体に流入するのか, あるいはその流入部位に局在性があり, 各リンパ小節が領域ごとに抗体産生を行うのかについては明らかではない. 本研究では, ラットを用い, 口腔内領域の基本的な所属リンパ節である顎下リンパ節におけるリンパ液の回収経路を解析し, リンパ小節が領域ごとに区画化されているか否かについて検討を行う目的で, 下顎臼歯歯肉および舌体部...
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Veröffentlicht in: | Dental Medicine Research 2010/07/31, Vol.30(2), pp.124-128 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | リンパ節は支配領域からリンパ液が流入し, その過程で異物が侵入した場合には, 抗原認識と抗体産生という一連の生体防御機構を営むことが良く知られているが, 支配領域は個々のリンパ節に比較して広範囲にわたる. したがって, 支配領域から流入するリンパがリンパ節全体に流入するのか, あるいはその流入部位に局在性があり, 各リンパ小節が領域ごとに抗体産生を行うのかについては明らかではない. 本研究では, ラットを用い, 口腔内領域の基本的な所属リンパ節である顎下リンパ節におけるリンパ液の回収経路を解析し, リンパ小節が領域ごとに区画化されているか否かについて検討を行う目的で, 下顎臼歯歯肉および舌体部からのリンパの顎下リンパ節への流入についてトレーサーを用いて解析を行った. 2種類の墨 (黒, 赤) それぞれを歯肉と舌体部へ各0.02 ml投与ではリンパ節の異なる部位にそれぞれが局在する所見が得られた. 2種類の異なる蛍光色素結合免疫グロブリンの舌と歯肉への同時投与では, それぞれの蛍光色素が異なるリンパ小節内に進入している所見が観察された. 以上の結果から, リンパ節内に存在するリンパ小節には異なる支配領域からのリンパが流入し, 部位特異的な免疫応答に関与している可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1882-0719 2186-540X |
DOI: | 10.7881/dentalmedres.30.124 |