機械的圧刺激による足引っ込め反射の筋活動量は痛みの指標と なりうるか?

著者らは, 咀嚼筋の慢性疼痛と比較しうる脊髄神経領域の慢性筋痛動物モデルを探している. 足引っ込め反射は防御反射のひとつで, 最近, 慢性筋痛の動物モデルにおける痛みの行動学的指標として用いられている. 本研究の目的は, 麻酔動物において機械的圧刺激に対する足引っ込め反射時の屈筋活動が電気生理学的な痛みの指標となるか否かを検討することであった. ハローセン麻酔下 (0.9~1.1%) でSD系ラット (250~350 g) の後肢に機械的圧刺激を加え, 前頚骨筋から筋電図を記録した. 筋電図を全波整流積分した値 (筋活動量) を痛みの指標の候補とみて検討した. 刺激の強さと筋活動量との関係を調...

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Veröffentlicht in:Dental Medicine Research 2009/07/31, Vol.29(2), pp.115-118
Hauptverfasser: 玉置, 潤一郎, 鶴岡, 正吉, 王, 丹, 前田, 昌子, 林, 文祥, 井上, 富雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:著者らは, 咀嚼筋の慢性疼痛と比較しうる脊髄神経領域の慢性筋痛動物モデルを探している. 足引っ込め反射は防御反射のひとつで, 最近, 慢性筋痛の動物モデルにおける痛みの行動学的指標として用いられている. 本研究の目的は, 麻酔動物において機械的圧刺激に対する足引っ込め反射時の屈筋活動が電気生理学的な痛みの指標となるか否かを検討することであった. ハローセン麻酔下 (0.9~1.1%) でSD系ラット (250~350 g) の後肢に機械的圧刺激を加え, 前頚骨筋から筋電図を記録した. 筋電図を全波整流積分した値 (筋活動量) を痛みの指標の候補とみて検討した. 刺激の強さと筋活動量との関係を調べたところ, 両対数グラフにおいて筋活動量は刺激の強さの増大とともに直線的な増加を示す“ベキ関数”部分が存在した. 筋活動量はモルヒネの腹腔内投与 (0.1, 0.5, 1.0 mg/kg) によって濃度依存的に有意に減少した. 本実験結果は足引っ込め反射が痛みの感覚と密接に関連し, 圧刺激による筋活動量が痛みの電気生理学的指標となり得ることを示唆する.
ISSN:1882-0719
2186-540X
DOI:10.7881/dentalmedres.29.115