医療観察法病棟における他者との交流に困難さを感じる統合失調症事例へのOTIPMとESIを用いた関わり

要旨:医療観察法病棟において,統合失調症の対象者に関わる機会を得た.本介入では対象者の「他者との会話がうまくなりたい」という希望に着目し,この実現に向けて作業療法介入プロセスモデルと社会交流評価を用いて関わった結果,対象者の対人交流技能が向上し,コミュニケーションの困難さが軽減した.危機介入モデルが先行する医療観察法医療において,作業療法介入プロセスモデルに基づいた司法精神科作業療法の実践は,対象者の保護要因を見出すことを可能にし,再犯の防止に間接的に作用すると考えられ,社会内再統合モデルに基づく医療観察法医療を推進する可能性があると考えられた....

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Veröffentlicht in:作業療法 2023-04, Vol.42 (2), p.221-227
Hauptverfasser: 南 庄一郎, 中澤 紀子, 永吉 美香
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:医療観察法病棟において,統合失調症の対象者に関わる機会を得た.本介入では対象者の「他者との会話がうまくなりたい」という希望に着目し,この実現に向けて作業療法介入プロセスモデルと社会交流評価を用いて関わった結果,対象者の対人交流技能が向上し,コミュニケーションの困難さが軽減した.危機介入モデルが先行する医療観察法医療において,作業療法介入プロセスモデルに基づいた司法精神科作業療法の実践は,対象者の保護要因を見出すことを可能にし,再犯の防止に間接的に作用すると考えられ,社会内再統合モデルに基づく医療観察法医療を推進する可能性があると考えられた.
ISSN:0289-4920