重度の陽性症状を有する慢性期統合失調症患者1例に対する園芸活動介入

要旨:精神科療養病棟において,顕著に陽性症状が残存し,現実的なコミュニケーションをとることが難しく,作業活動に注意を向けることができなかった60歳代女性の慢性期統合失調症患者に関わる機会を得た.作業療法介入として,6ヵ月間の園芸活動を提供し,毎日の水やり作業と週1回の植物成長記録ポスター作成作業を実施した.その結果,事例は作業療法士との現実的なコミュニケーションをとることができ,作業活動に取り組むことができるようになった.植物の成長を共有して関わることで現実的なコミュニケーションを促進し,園芸に関連した創作活動を取り入れ,動機を高められるよう設定したことが,作業活動への注意を高めたと考えられた...

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Veröffentlicht in:作業療法 2022/10/15, Vol.41(5), pp.610-617
Hauptverfasser: 木納 潤一, 杉山 弘朗, 坂井 一也, 松本 裕二, 岸本 年史
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:精神科療養病棟において,顕著に陽性症状が残存し,現実的なコミュニケーションをとることが難しく,作業活動に注意を向けることができなかった60歳代女性の慢性期統合失調症患者に関わる機会を得た.作業療法介入として,6ヵ月間の園芸活動を提供し,毎日の水やり作業と週1回の植物成長記録ポスター作成作業を実施した.その結果,事例は作業療法士との現実的なコミュニケーションをとることができ,作業活動に取り組むことができるようになった.植物の成長を共有して関わることで現実的なコミュニケーションを促進し,園芸に関連した創作活動を取り入れ,動機を高められるよう設定したことが,作業活動への注意を高めたと考えられた.
ISSN:0289-4920
2434-4419
DOI:10.32178/jotr.41.5_610