BIT線分二等分試験と抹消試験でみられる上下方向の無視の特徴

要旨:無視空間の特徴を知る目的で,USN患者202名のBIT線分二等分試験と線分抹消試験,文字抹消試験,星印抹消試験を上・中・下段で比較した.結果は線分二等分試験のみが特徴的な左下の無視空間を呈した.他の抹消試験は上・中・下段の左側無視に差がなく,上下方向の空間認知が可能なことを明らかにした.損傷部位の比較では前頭葉損傷群が線分二等分試験の上・下段の差でUSNを捉えられることが新たに認められた.このような特徴から空間認知要因が強い課題は上下左右の標的を近接させ,視覚探索要因が強い課題は上下方向へ誘導することが無視空間への気づきを促すと考えられ,これらを考慮すると効率的な作業療法につながると思わ...

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Veröffentlicht in:作業療法 2022/08/15, Vol.41(4), pp.418-426
Hauptverfasser: 髙田 善栄, 前田 眞治, 菅原 光晴, 山本 潤
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:無視空間の特徴を知る目的で,USN患者202名のBIT線分二等分試験と線分抹消試験,文字抹消試験,星印抹消試験を上・中・下段で比較した.結果は線分二等分試験のみが特徴的な左下の無視空間を呈した.他の抹消試験は上・中・下段の左側無視に差がなく,上下方向の空間認知が可能なことを明らかにした.損傷部位の比較では前頭葉損傷群が線分二等分試験の上・下段の差でUSNを捉えられることが新たに認められた.このような特徴から空間認知要因が強い課題は上下左右の標的を近接させ,視覚探索要因が強い課題は上下方向へ誘導することが無視空間への気づきを促すと考えられ,これらを考慮すると効率的な作業療法につながると思われた.
ISSN:0289-4920
2434-4419
DOI:10.32178/jotr.41.4_418