ラット一過性前脳虚血モデルにおける低体温療法と水素ガスの併用効果

「要旨」ラット一過性前脳虚血モデルを用い, 低体温療法単独と低体温+1.3%水素ガス吸入療法の脳保護効果を比較した. 組織学的評価として, 前脳虚血1週間後の海馬CA1領域を光学顕微鏡により観察し, 傷害の程度をスコア化した. その結果, 低体温療法に水素ガス吸入を併用させることが, 低体温療法単独の脳保護効果を増強させる傾向を有することが確認された. 「はじめに」ラットに実験的な脳虚血ストレスを加えると, その数日後から組織学的かつ行動学的な脳傷害が観察される. そのメカニズムの一つとして, 虚血再灌流後に脳内に産生されるフリーラジカルが挙げられる. 水素ガスはフリーラジカルの中でもヒドロキ...

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Veröffentlicht in:Medical Gases 2017, Vol.19 (1), p.54-56
Hauptverfasser: 長崎剛, 真崎容子, 高橋真由, 堀口剛, 西川俊昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」ラット一過性前脳虚血モデルを用い, 低体温療法単独と低体温+1.3%水素ガス吸入療法の脳保護効果を比較した. 組織学的評価として, 前脳虚血1週間後の海馬CA1領域を光学顕微鏡により観察し, 傷害の程度をスコア化した. その結果, 低体温療法に水素ガス吸入を併用させることが, 低体温療法単独の脳保護効果を増強させる傾向を有することが確認された. 「はじめに」ラットに実験的な脳虚血ストレスを加えると, その数日後から組織学的かつ行動学的な脳傷害が観察される. そのメカニズムの一つとして, 虚血再灌流後に脳内に産生されるフリーラジカルが挙げられる. 水素ガスはフリーラジカルの中でもヒドロキシラジカルを特異的に除去し, 抗酸化作用により虚血性脳傷害を軽減することが知られており, その吸入療法は近年, 活性酸素が関わる様々な病態の治療法として注目を集めている.
ISSN:2434-6152
DOI:10.32263/medicalgases.19.1_54