小児の体質とノイロメトリー
昭和59年度学校保健統計調査速報によると, 戦後めざましい成長をとげてきた青少年の身長や体重も, 中・高生ではこの5年間程はほぼ横ばい状態になってきている. しかし, 成長のスピードは早く, 成長の早熟化が進んできており, 20年前の小学6年生(11才)と現代(昭和59年度)の小学6年生を比較すると, 身長では現代平均で男児143.2cmでその差は+5.0cm, 女児145.4cm, +5.4cm, 体重においても, 男児36.4kg+4.0kg, 女児37.7kg+4.4kgとなっている. この様に社会経済的にも, 環境衛生的にも著しく改善され, 子供達の身体的な健康状態は従来になく良くなっ...
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Veröffentlicht in: | 日本鍼灸良導絡医学会誌 1985/07/01, Vol.14(1), pp.11-16 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 昭和59年度学校保健統計調査速報によると, 戦後めざましい成長をとげてきた青少年の身長や体重も, 中・高生ではこの5年間程はほぼ横ばい状態になってきている. しかし, 成長のスピードは早く, 成長の早熟化が進んできており, 20年前の小学6年生(11才)と現代(昭和59年度)の小学6年生を比較すると, 身長では現代平均で男児143.2cmでその差は+5.0cm, 女児145.4cm, +5.4cm, 体重においても, 男児36.4kg+4.0kg, 女児37.7kg+4.4kgとなっている. この様に社会経済的にも, 環境衛生的にも著しく改善され, 子供達の身体的な健康状態は従来になく良くなってきているにもかかわらず, 目や歯の異常は多く, 小学生では虫歯保有率は91.5%, 裸眼視力1.0未満のものが19.0%と高い比率を示し, また, 河添1)は, 最近目立つ体のおかしさとして, 小学生において1)背中ぐにゃ2)朝からあくび3)アレルギー4)背すじがおかしい5)朝礼でバタン等を指摘している. また, 小林2)は, 小児科臨床医の立場より, 小児の疾病構造の変化を述べ, 社会的な問題も含めて登校拒否, 校内暴力, いじめ, 非行等の問題も含めて子どもの健康を考え, 心と体および発育のバランスを良くするために, 子どもをとりまく生態システムが良いものでなければならないとしている. すなわち, 体格は良くなったが, 種々の複雑な社会環境の変化により, 子ども達の体質においても多くの影響を与えていることがわかる. そこで, 著者らは自律神経のなかで, 特に皮膚交感神経の興奮性を測定するとされているNeurometoryを応用して, いわゆる健康な小学生の年齢, 性, および体格による良導絡興抑出現頻度のパターン特性(以後単にパターンと略す)を観察し, また, 各愁訴の出現頻度の比較, および, それら愁訴の有無によるパターンの相違があるかどうか等の検討をしてみた. |
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ISSN: | 0286-1631 1884-9253 |
DOI: | 10.17119/ryodoraku1971.14.11 |