五十肩の良導絡治療

今回の発表は若手の先生にお願いするつもりでしたが, 都合により私が発表することになり作業を進めて行く内に「五十肩の良導絡治療」と云うより「五十肩の良導絡所見」と標題を改めさせて頂く事を初めに御了承お願い致します. 本症は私達鍼灸の臨床にたずさわる者にとって比較的患者の数は, 腰痛, 肩こり等の様に多い部類に属する疾病の一つであろうかと思いますのでこれが良導絡パターンの有無を, 追究して見ました. 72の症例は最近の来院患者中「五十肩」「肩関節周囲炎」として良導絡測定をした全カルテを集計したもので, スライド2の通りで, 年令的には50才台と, 60才台で52名, 72%をしめており, 男女差は認められませんでした. 本症は手の三陽H_4 H_5 H_6 の異常が多いのではないかと思い, H_4 H_5 H_6 を興抑に分け分類して其の変化を見たのであります. スライド3は三陽共に興奮したものの4は仝じく二陽が興奮したものの5は一陽が興であります. 6は三陽が平均値内にあり, 7は三陽が興抑に分かれております. 8のスライドでは三陽共抑制されており, 9は仝じく二陽が抑制されたもの, 10は一陽が抑になっております. 以上の様に種々雑多な型になりましたが, それを表にしたものがスライド11で, 興の順位はH_5 H_6 H_4 H_1 の順になっております. スライド12ではH_4 H_3 H_5 の経に抑制が多く見られる, スライド13ではF経の興奮状況を見たのであり, その順位はF_2 F_4 F_6 でスライド14の抑制状況ではF_3 F_5 が53, 57と非常に多く次にF_4 F_1 の順になっております.