一側頸部内頸動脈完全閉塞後に対側でモヤモヤ血管の発現をみた1例
モヤモヤ病は, 頭蓋内内頸動脈末端近傍の狭窄もしくは閉塞と脳底部異常血管網(モヤモヤ血管)を両側性に認めることが特徴であり, それが診断の根拠とされてきた. しかし報告例が増えるにつれ, 必ずしも左右の血管病変の程度が一致しない症例が存在することが知られ, 1978年に作成された「診断の手引き」も再検討されるに至っている4). モヤモヤ病が進行性の疾患であり, モヤモヤ血管が動脈狭窄もしくは閉塞に伴う側副血行路として消長することを考えると, その血管病変の時間的経過や程度に左右差が生じる可能性は十分あると思われる. 今回我々は, 一側の頸部内頸動脈の完全閉塞にて発症し, その後経時的観察で対側...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | Neurologia medico-chirurgica 1991, Vol.31 (13), p.957-960 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | モヤモヤ病は, 頭蓋内内頸動脈末端近傍の狭窄もしくは閉塞と脳底部異常血管網(モヤモヤ血管)を両側性に認めることが特徴であり, それが診断の根拠とされてきた. しかし報告例が増えるにつれ, 必ずしも左右の血管病変の程度が一致しない症例が存在することが知られ, 1978年に作成された「診断の手引き」も再検討されるに至っている4). モヤモヤ病が進行性の疾患であり, モヤモヤ血管が動脈狭窄もしくは閉塞に伴う側副血行路として消長することを考えると, その血管病変の時間的経過や程度に左右差が生じる可能性は十分あると思われる. 今回我々は, 一側の頸部内頸動脈の完全閉塞にて発症し, その後経時的観察で対側の内頸動脈終末部の高度狭窄とモヤモヤ血管の発現をみた1症例を経験した. 本症例は今までのモヤモヤ病の診断基準には合致しない症例と言えるが, 脳血管撮影での側副血行路などの間接的所見や血行再建術後の血管新生の所見などから両側の病態像の類似性が窺われ, モヤモヤ病の病態像を考える上で興味深い症例と思われた. |
---|---|
ISSN: | 0470-8105 |