原発性心膜中皮腫の脳転移例

転移性脳腫瘍は最近増加の傾向にあるが, 心臓および心膜に発生する悪性腫瘍の転移例は少ない. これは心臓および心膜に発生する悪性腫瘍の頻度が少ないこと, また心臓腫瘍では早期に心不全で死亡する場合が多いことによると考えられる. 心臓および心膜に発生する悪性腫瘍の頻度はMcAllister 5)の集計によると, angiosarcoma 7.3 %, rhabdomyosarcoma4.9%, mesothelioma 3.6 % 等, 肉腫の頻度が多い. このうち心膜中皮腫は発生頻度が低く, さらに脳へ転移した症例は文献上渉猟しえなかった. 今回我々は, めまい・頭痛・嘔吐で発症し, 死亡1ヵ月...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1990, Vol.30 (11), p.884-887
Hauptverfasser: 麻生有二, 中村正直, 前田達浩, 塩貝敏之, 小柏元英, 竹内一夫, 渡辺康一, 田中宇一郎, 松尾英一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:転移性脳腫瘍は最近増加の傾向にあるが, 心臓および心膜に発生する悪性腫瘍の転移例は少ない. これは心臓および心膜に発生する悪性腫瘍の頻度が少ないこと, また心臓腫瘍では早期に心不全で死亡する場合が多いことによると考えられる. 心臓および心膜に発生する悪性腫瘍の頻度はMcAllister 5)の集計によると, angiosarcoma 7.3 %, rhabdomyosarcoma4.9%, mesothelioma 3.6 % 等, 肉腫の頻度が多い. このうち心膜中皮腫は発生頻度が低く, さらに脳へ転移した症例は文献上渉猟しえなかった. 今回我々は, めまい・頭痛・嘔吐で発症し, 死亡1ヵ月前に心嚢液の貯留を認め, 心疾患を疑われたきわめてまれな悪性心膜中皮腫の脳転移例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:0470-8105