胸椎部硬膜外病変に対するanterolateral approachによる治療

胸椎の椎間板障害(disc disease)は発生頻度的に頸椎や腰椎のそれに比較して少なく, また後縦靭帯骨化症(OPLL)も頸椎レベルに比して少ないが, それらによる神経症状は重篤となりやすい. さらに治療に関しても病巣を直接除去することは困難であり, そのため従来より間接的除圧術である椎弓切除術が行われることが多い. その理由として, 脊柱管のうち胸椎レベルがもっとも径が狭いため比較的軽度の椎間板, 骨棘, OPLL病巣などの脊柱管内の突出によっても脊髄が強く圧迫されることや, 頸椎レベルのように前方からの到達が容易ではないこと, 腰椎レベルのように後方から硬膜外経由で安全に脊柱管前面に到...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1988, Vol.28 (8), p.798-801
Hauptverfasser: 岩崎喜信, 阿部弘, 多田光宏, 井須豊彦, 秋野実, 金田清志
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:胸椎の椎間板障害(disc disease)は発生頻度的に頸椎や腰椎のそれに比較して少なく, また後縦靭帯骨化症(OPLL)も頸椎レベルに比して少ないが, それらによる神経症状は重篤となりやすい. さらに治療に関しても病巣を直接除去することは困難であり, そのため従来より間接的除圧術である椎弓切除術が行われることが多い. その理由として, 脊柱管のうち胸椎レベルがもっとも径が狭いため比較的軽度の椎間板, 骨棘, OPLL病巣などの脊柱管内の突出によっても脊髄が強く圧迫されることや, 頸椎レベルのように前方からの到達が容易ではないこと, 腰椎レベルのように後方から硬膜外経由で安全に脊柱管前面に到達できないことなどが挙げられる. 今回我々は, 胸椎のdisc diseaseおよびOPLLに対してtranspleural approachないしはretroperitoneal approachにより病巣を摘出しえた6例を経験したので報告する.
ISSN:0470-8105