“モヤモヤ”病の脳循環代謝に関する研究

“モヤモヤ”病の脳虚血症状は, 過換気を伴う運動やいきみ様動作に続いて出現するという特徴を有する. また脳波検査では, 過換気負荷により徐波化(build-up)した脳波が, 過換気負荷終了後一過性に改善傾向を示し, またはそのままさらに徐波化するrebuild-up現象が本症の特徴として認められてきた1, 5). これらの現象は, 過換気による動脈血中炭酸ガス分圧(PaCO_2 )の低下に基づく脳循環代謝の変化を反映しているものと考えられる. しかしながら, 過換気後の脳血流の検討には連続した脳血流変化を捉える方法が必要となり, その報告はきわめて少ない2, 9, 11). 本論文では, 脳...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1988, Vol.28 (4), p.327-332
Hauptverfasser: 唐澤淳, 菊池晴彦, 山形専, 竹内茂和, 宍戸尚, 吉澤卓, 東保肇, 宮本享, 南川順, 栗山良紘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:“モヤモヤ”病の脳虚血症状は, 過換気を伴う運動やいきみ様動作に続いて出現するという特徴を有する. また脳波検査では, 過換気負荷により徐波化(build-up)した脳波が, 過換気負荷終了後一過性に改善傾向を示し, またはそのままさらに徐波化するrebuild-up現象が本症の特徴として認められてきた1, 5). これらの現象は, 過換気による動脈血中炭酸ガス分圧(PaCO_2 )の低下に基づく脳循環代謝の変化を反映しているものと考えられる. しかしながら, 過換気後の脳血流の検討には連続した脳血流変化を捉える方法が必要となり, その報告はきわめて少ない2, 9, 11). 本論文では, 脳波検査によるrebuild-up現象の発生頻度, 過換気負荷によるfunctional angiography, 脳動静脈酸素含量較差より求めたcerebral blood flow(CBF) indexを用いたCBFの変化, およびkrypton-81m持続動注によるsingle photon emission CT (^^81m Kr-SPECT)などを用いて, “モヤモヤ”病の脳血流の炭酸ガス反応性, 特に過換気後のCBFの低下およびその回復過程について検討したので報告する.
ISSN:0470-8105