トルコ鞍内HCG産生germinomaの1例

頭蓋内原発germ cell tumorは多くは松果体部に発生し, また視交叉部にも少なからずみられるが, これがトルコ鞍内において発育することはまれであり, したがってトルコ鞍内germinomaが手術前に診断されることは少ない. 一方, 頭蓋内腫瘍による性早熟症の原因としてhuman chorionic gonadotropin(HCG)が注目され, 現在ではalpha-fetoprotein(AFP)とともにgerm cell tumorの腫瘍マーカーとして有用なものとされている. HCG産生腫瘍としてはchoriocarcinomaが代表的なものであるが, germinomaのうちでも...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1987, Vol.27 (12), p.1214-1218
Hauptverfasser: 伴野悠士, 兵頭明夫, 能勢忠男, 牧豊
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:頭蓋内原発germ cell tumorは多くは松果体部に発生し, また視交叉部にも少なからずみられるが, これがトルコ鞍内において発育することはまれであり, したがってトルコ鞍内germinomaが手術前に診断されることは少ない. 一方, 頭蓋内腫瘍による性早熟症の原因としてhuman chorionic gonadotropin(HCG)が注目され, 現在ではalpha-fetoprotein(AFP)とともにgerm cell tumorの腫瘍マーカーとして有用なものとされている. HCG産生腫瘍としてはchoriocarcinomaが代表的なものであるが, germinomaのうちでもこれを産生するものがあり, 1973年の高倉ら11)の症例以来, いくつかの報告がある1, 7, 13-15). 免疫組織化学的にHCGの産生が証明された報告もみられる1, 14)が, 頻度としてはきわめて少ない. 我々は, 血中HCGが高値を示した鞍内腫瘍に対してtranssphenoidal approachにより手術を施行し, 組織学的にgerminomaであることを確認, また免疫組織化学的に細胞内にHCGを証明し, その後の放射線照射により治癒せしめた症例を経験したので報告する.
ISSN:0470-8105