特異なdraining veinを有した前頭蓋底部硬膜動静脈奇形の1例
硬膜動静脈奇形(以下dural AVM)は, 一般に横・S状静脈洞部や海綿静脈洞部に好発するとされ, 前頭蓋底部には少ない. 今回我々は, 前頭蓋底嗅窩部に存在し, 特異なdraining veinを有したdural AVMの1症例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 症例 〈患者>61才, 男性 主訴:頭痛, 嘔吐 家族歴:特記すべきことなし 既往歴:20才時, 肺結核 現病歴:1985年11月11日, 作業中に頭痛および嘔吐が出現, ついで意識消失し, 某院に搬入された. 第3病日の11月14日, 当科に転院した. 当科入院時所見:血圧130/70mmHg, 脈拍65/...
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Veröffentlicht in: | Neurologia medico-chirurgica 1987, Vol.27 (12), p.1195-1200 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 硬膜動静脈奇形(以下dural AVM)は, 一般に横・S状静脈洞部や海綿静脈洞部に好発するとされ, 前頭蓋底部には少ない. 今回我々は, 前頭蓋底嗅窩部に存在し, 特異なdraining veinを有したdural AVMの1症例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 症例 〈患者>61才, 男性 主訴:頭痛, 嘔吐 家族歴:特記すべきことなし 既往歴:20才時, 肺結核 現病歴:1985年11月11日, 作業中に頭痛および嘔吐が出現, ついで意識消失し, 某院に搬入された. 第3病日の11月14日, 当科に転院した. 当科入院時所見:血圧130/70mmHg, 脈拍65/分であり, 頭頸部にbruitは聴取されず, 一般検査所見にも異常を認めなかった. 神経学的には, 軽い意識障害I-2(3-3-9度方式), うっ血乳頭, 軽い右不全片麻痺が認められた. 神経放射線学的所見:頭蓋単純撮影で異常所見は認められなかった. しかし, CT scanにて左前頭葉内に脳内血腫と思われる均一な高吸収域を認め, 左側脳室前角部は圧排されていた. |
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ISSN: | 0470-8105 |