脳動脈瘤内における超音波ドプラ効果

脳動脈瘤に対するドプラ効果に関する報告はまれである4-7). まして, 頭蓋の外から脳動脈瘤のドプラ信号を得たという報告はかつてない. これまで我々は, 正常動脈あるいは親動脈からのドプラ信号と嚢状動脈瘤からのそれとは, audiophonicallyにもまたsonagramの上でも有意の相違があることを, 実験的また臨床的(開頭術中)に立証し報告してきた6, 7). そして, その最終的な目標が, 頭蓋外から脳動脈瘤の有無を探知せんとすることにあることも強調してきている. 最近我々は, 大きな動脈瘤を有する2症例に対し, transcranial approachによってドプラ信号を得ること...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1987, Vol.27 (6), p.519-525
Hauptverfasser: 堤裕, 安藤幸彦, 真柳佳昭, 野口信, 好本裕平, 竹下幹彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:脳動脈瘤に対するドプラ効果に関する報告はまれである4-7). まして, 頭蓋の外から脳動脈瘤のドプラ信号を得たという報告はかつてない. これまで我々は, 正常動脈あるいは親動脈からのドプラ信号と嚢状動脈瘤からのそれとは, audiophonicallyにもまたsonagramの上でも有意の相違があることを, 実験的また臨床的(開頭術中)に立証し報告してきた6, 7). そして, その最終的な目標が, 頭蓋外から脳動脈瘤の有無を探知せんとすることにあることも強調してきている. 最近我々は, 大きな動脈瘤を有する2症例に対し, transcranial approachによってドプラ信号を得ることに成功し, かつそのデータが我々のかつての報告を裏付けるものであることを確認したので, ここで改めてこれまでの実績を簡単に紹介し, 正常動脈および嚢状動脈瘤から得られるドプラ唸り音の相違について述べるとともに, 2例のみの知見ではあるが頭蓋外からのドプラ法による動脈瘤検出の可能性を示唆するものとしてここに報告する.
ISSN:0470-8105