ACNU動注療法における薬物動態について

悪性脳腫瘍に対する化学療法剤としては, 血液脳関門(以下BBB)を通過し, cell cycle nonspecific agentであるニトロソウレア系抗腫瘍剤が広く使われている. ACNUは本邦で開発されたニトロソウレア系抗腫瘍剤であり, 水溶性故に血管内投与が容易であるという特徴を持っている3). ACNUの投与方法は2~3mg/kgを約6週間ごとに静脈内に投与するのが一般的であるが21), 最近では腫瘍局所への高濃度投与を目的として頸動脈内投与が試みられている12, 24, 27). しかしながら, 生体内に投与されたACNUの動態については未解決な部分が多い. 今回ACNUの薬物動態...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1987, Vol.27 (6), p.491-497
Hauptverfasser: 奥村禎三, 山下純宏, 徳力康彦, 半田肇, 岩川精吾, 塚本豊久, 奥村勝彦, 堀了平
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:悪性脳腫瘍に対する化学療法剤としては, 血液脳関門(以下BBB)を通過し, cell cycle nonspecific agentであるニトロソウレア系抗腫瘍剤が広く使われている. ACNUは本邦で開発されたニトロソウレア系抗腫瘍剤であり, 水溶性故に血管内投与が容易であるという特徴を持っている3). ACNUの投与方法は2~3mg/kgを約6週間ごとに静脈内に投与するのが一般的であるが21), 最近では腫瘍局所への高濃度投与を目的として頸動脈内投与が試みられている12, 24, 27). しかしながら, 生体内に投与されたACNUの動態については未解決な部分が多い. 今回ACNUの薬物動態を解析するため, グリオーマを中心に静脈内投与と頸動脈内投与におけるACNUの血中濃度, 腫瘍組織内濃度および髄液中濃度の経時的変化を測定し, 併せて一部の頸動注例においてmannitolによるBBB disruptionについても検討したので報告する.
ISSN:0470-8105