下垂体腺腫に対する放射線治療後, 多発脳動脈瘤の発生をみた1例

脳腫瘍に合併する脳動脈瘤については, 古くから報告をみるところであるが, 診断技術の進歩とともに症例も増加しつつある. なかでも下垂体腺腫との合併頻度がもっとも高く, 6.8%7)から7.4%25)に及ぶという報告もみられる. 動脈瘤形成の原因について, いくつかの可能性が指摘されているなかで, 放射線治療後の血管壁の障害が挙げられている26). 我々は, 下垂体腺腫の術後放射線治療によると思われる脳動脈瘤の新たな発生を認めた症例を経験したので, 報告する. 過去に放射線治療の前後に脳血管撮影を施行し, 脳動脈瘤の発生を確認した症例は, Azzarelliら1)のsuprasellar ger...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1987, Vol.27 (3), p.224-228
Hauptverfasser: 西徹, 松角康彦, 児玉万典, 開俊郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:脳腫瘍に合併する脳動脈瘤については, 古くから報告をみるところであるが, 診断技術の進歩とともに症例も増加しつつある. なかでも下垂体腺腫との合併頻度がもっとも高く, 6.8%7)から7.4%25)に及ぶという報告もみられる. 動脈瘤形成の原因について, いくつかの可能性が指摘されているなかで, 放射線治療後の血管壁の障害が挙げられている26). 我々は, 下垂体腺腫の術後放射線治療によると思われる脳動脈瘤の新たな発生を認めた症例を経験したので, 報告する. 過去に放射線治療の前後に脳血管撮影を施行し, 脳動脈瘤の発生を確認した症例は, Azzarelliら1)のsuprasellar germinomaの1例のみであり, 下垂体腺腫ではいまだ報告がない. 症例を呈示し, 若干の考察を加えた. 症例 57才, 男性 主訴:視力・視野障害 既往歴:1948年に左網膜剥離, 1973年に右網膜剥離. 高血圧症, 糖尿病は認められていない.
ISSN:0470-8105