両側乳癌, 肺癌および甲状腺癌を同時期に合併したglioblastomaの1症例

近年, 重複癌7)の報告が増加している5)が, 悪性脳腫瘍を含む重複癌の報告は少ない. 今回, 同時期に発見されたglioblastomaと両側乳癌, 肺癌および甲状腺癌というきわめてまれな組み合せの重複癌の1例を経験したので報告する. 症例 27才, 女性 主訴:軽度意識障害, 嘔気, 嘔吐 家族歴:祖父が肺癌にて死亡している. 既往歴:2回経妊, うち出産1回, 人工中絶1回. 現病歴:1983年6月, 出産, 同年9月頃より両側乳房に腫瘤が触知されるのを自覚していた. 10月, 健康診断時の胸部単純写にて右上肺野の異常陰影を指摘され, その後某医に入院し, 肺結核として化学療法を受けてい...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1986, Vol.26 (11), p.908-912
Hauptverfasser: 小笠原邦昭, 小川彰, 新海準二, 嘉山孝正, 和田徳男, 並木恒夫, 鈴木二郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 重複癌7)の報告が増加している5)が, 悪性脳腫瘍を含む重複癌の報告は少ない. 今回, 同時期に発見されたglioblastomaと両側乳癌, 肺癌および甲状腺癌というきわめてまれな組み合せの重複癌の1例を経験したので報告する. 症例 27才, 女性 主訴:軽度意識障害, 嘔気, 嘔吐 家族歴:祖父が肺癌にて死亡している. 既往歴:2回経妊, うち出産1回, 人工中絶1回. 現病歴:1983年6月, 出産, 同年9月頃より両側乳房に腫瘤が触知されるのを自覚していた. 10月, 健康診断時の胸部単純写にて右上肺野の異常陰影を指摘され, その後某医に入院し, 肺結核として化学療法を受けていた. また, 1984年2月初め, 乳汁細胞診にて陽性(Class V)と診断され, 手術予定であったが, 2月12日頃より軽度意識障害, 嘔気, 嘔吐などが出現し, 頭部CT scanで異常陰影を指摘されたため, 2月25日, 当科を受診し, 入院した. 入院時現症:意識は3-3-9度方式で2, 失見当識を認めるのみで, また両側眼底にうっ血乳頭を認めたが, その他, 神経学的には異常を認めなかった.
ISSN:0470-8105