前頭側頭部打撲により発生した後頭蓋窩急性硬膜外血腫の1例

頭部外傷による脳損傷や頭蓋内血腫の発生部位は, 打撲部位との関係からcoupないしcontrecoup injuryとして説明されることが多い6, 8, 12). 天幕上の硬膜外血腫の多くは, coup injuryとして打撲部直下ないしその近傍に頭蓋骨骨折に伴って発生するが3), 時にcontrecoup injuryとして打撲対側部や打撲部と直接関連をもたずに発生することもある4). しかし, 後頭蓋窩硬膜外血腫の場合, そのほとんどは後頭部ないし後頭頭頂部打撲によるcoup injuryとして発生し2, 5, 13-15), 前頭部や側頭部打撲により生じることはきわめてまれである. 最近...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1985, Vol.25 (6), p.489-492
Hauptverfasser: 重森稔, 森山匠, 江口議八郎, 野口真志, 川崎建作, 川場知幸, 鳥越隆一郎, 渡辺光夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:頭部外傷による脳損傷や頭蓋内血腫の発生部位は, 打撲部位との関係からcoupないしcontrecoup injuryとして説明されることが多い6, 8, 12). 天幕上の硬膜外血腫の多くは, coup injuryとして打撲部直下ないしその近傍に頭蓋骨骨折に伴って発生するが3), 時にcontrecoup injuryとして打撲対側部や打撲部と直接関連をもたずに発生することもある4). しかし, 後頭蓋窩硬膜外血腫の場合, そのほとんどは後頭部ないし後頭頭頂部打撲によるcoup injuryとして発生し2, 5, 13-15), 前頭部や側頭部打撲により生じることはきわめてまれである. 最近我々は, 前頭側頭部打撲後, 同側の後頭蓋窩に硬膜外血腫の発生をみた1手術例を経験した. 本症例ではcoupないしcontre coup injuryとして血腫の形成を説明することは困難であり, 硬膜外血腫の形成機転を考える上できわめて示唆に富む症例と思われた. そこで本症例を呈示し, 血腫の形成機転を中心に若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:0470-8105