脳血管障害患者における下垂体前葉ホルモン分泌能の検討

脳血管障害により視床下部―下垂体機能が影響を受けることは一般に良く知られており, クモ膜下出血, 脳出血, 脳梗塞症例などで視床下部―下垂体後葉系の障害による水・電解質代謝異常についての報告はしばしばみられる8, 9, 17). しかし, このような各種脳血管障害症例の視床下部―下垂体前葉系の機能障害についての総合的研究はほとんど行われていない. そこで我々は, 脳血管障害により発生する視床下部―下垂体前葉系の機能障害の病態を明らかにする目的で, 1975年4月より1982年12月までの7年8ヵ月の期間に広島大学脳神経外科, 愛媛大学脳神経外科, およびそれらの関連施設において経験した脳血管障...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1985, Vol.25 (6), p.433-439
Hauptverfasser: 吉本尚規, 魚住徹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:脳血管障害により視床下部―下垂体機能が影響を受けることは一般に良く知られており, クモ膜下出血, 脳出血, 脳梗塞症例などで視床下部―下垂体後葉系の障害による水・電解質代謝異常についての報告はしばしばみられる8, 9, 17). しかし, このような各種脳血管障害症例の視床下部―下垂体前葉系の機能障害についての総合的研究はほとんど行われていない. そこで我々は, 脳血管障害により発生する視床下部―下垂体前葉系の機能障害の病態を明らかにする目的で, 1975年4月より1982年12月までの7年8ヵ月の期間に広島大学脳神経外科, 愛媛大学脳神経外科, およびそれらの関連施設において経験した脳血管障害患者121例に対し系統的下垂体前葉ホルモン分泌能検査を行い, その結果と原疾患, 臨床症状, 病巣の局在, レ線学的検査所見, および合併症とについて比較検討した. 内訳は破裂脳動脈瘤53例, 高血圧性脳内出血49例, 脳動静脈奇形12例, 未破裂巨大脳動脈瘤7例であり, 今回は破裂脳動脈瘤症例の結果について報告する.
ISSN:0470-8105