Cryptic vascular malformationを合併し, 脳出血で発症した硬膜動静脈奇形の1例

従来まれな疾患, と考えられていた硬膜動静脈奇形(硬膜AVM)は, 脳血管撮影法の普及と, subtraction法・拡大撮影法などの技術上の進歩, あるいはdigital subtraction angiographyといった新しい診断機器の導入に伴い, 近年その報告例が増加してきた. しかし, 一般に症状が軽く, 時に自然治癒もみられ4), 一つの疾患としてその成因・症状・治療法・予後に一定の結論は得られていない23). さらに, 硬膜AVMの症状として脳内出血の報告は少なく6, 11, 13), また硬膜および脳内に動静脈奇形が同時に発生し, そのために症状が進行性に増悪した例の報告はな...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1984, Vol.24 (8), p.632-636
Hauptverfasser: 大槻秀夫, 尾藤昭二, 長谷川洋, 小橋二郎, 藤原正昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:従来まれな疾患, と考えられていた硬膜動静脈奇形(硬膜AVM)は, 脳血管撮影法の普及と, subtraction法・拡大撮影法などの技術上の進歩, あるいはdigital subtraction angiographyといった新しい診断機器の導入に伴い, 近年その報告例が増加してきた. しかし, 一般に症状が軽く, 時に自然治癒もみられ4), 一つの疾患としてその成因・症状・治療法・予後に一定の結論は得られていない23). さらに, 硬膜AVMの症状として脳内出血の報告は少なく6, 11, 13), また硬膜および脳内に動静脈奇形が同時に発生し, そのために症状が進行性に増悪した例の報告はない. 今回我々は, 脳内出血で発症し, 精査の結果流出静脈がLabbe静脈であったために側頭葉の静脈圧亢進が起こり, 同部に存在していたcryptic vascular malformationが破綻し脳内血腫をきたした横静脈洞部硬膜AVMの症例を経験したので, 文献的考察を加え報告する.
ISSN:0470-8105