内頸動脈の視神経圧迫が原因と思われる外傷性視神経障害の1例
外傷性視神経障害は, 前頭部および眼窩周囲の打撲症に合併し, 視神経管骨折が原因であることが多い. しかし視神経管骨折を認めない症例14)や軽微な外力によって視神経障害をきたした報告例29)もあり, 外傷性視神経障害の発生機序についてはいまだ不明の点が多い. 最近我々は, 軽度の頭部外傷後進行性に著明な視力・視野障害をきたし, 内頸動脈C_2 部による視神経圧迫が原因と考えられた症例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 症例 〈患者〉12才, 男子 主訴:視力・視野障害 家族歴・既往歴:特記すべきことなし 現病歴:1981年4月12日, コンクリート道路上を走っていて転倒し, 左...
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Veröffentlicht in: | Neurologia medico-chirurgica 1984, Vol.24 (2), p.117-121 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 外傷性視神経障害は, 前頭部および眼窩周囲の打撲症に合併し, 視神経管骨折が原因であることが多い. しかし視神経管骨折を認めない症例14)や軽微な外力によって視神経障害をきたした報告例29)もあり, 外傷性視神経障害の発生機序についてはいまだ不明の点が多い. 最近我々は, 軽度の頭部外傷後進行性に著明な視力・視野障害をきたし, 内頸動脈C_2 部による視神経圧迫が原因と考えられた症例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 症例 〈患者〉12才, 男子 主訴:視力・視野障害 家族歴・既往歴:特記すべきことなし 現病歴:1981年4月12日, コンクリート道路上を走っていて転倒し, 左前額部を打撲した. 意識障害はなかったが, 直後より左眼の霧視を自覚したため某医を受診し, 対光反射などの瞳孔異常なく, 他の神経学的検査でも異常を認められなかった. その後も左眼の霧視は軽快しなかったが, 日常生活に不自由なく放置した. |
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ISSN: | 0470-8105 |