内頸動脈瘤を合併した後頭蓋窩静脈性血管腫の1例

症例は65歳女性. 28歳頃より出現した右上肢の企図振戦, めまい, 更に65歳になって発症した痙攣発作を主訴に来院. 神経学的には右上肢の協同運動障害と企図振戦が認められた. 脳波では右中心頭頂部に棘波を認めた. CT上右小脳半球に造影により増強効果を認める不整形low density areaが証明された. 脳血管写では, VAG静脈相において右小脳半球に多数の小静脈が中心を走る1本のinferior vermian veinに集合し, これがCaput medusae様を呈しており静脈性血管腫の典型所見と思われた. 右CAGにて, C_1 からC_2 portionにかけてwide ne...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.257-258
Hauptverfasser: 井上信博, 山本東明, 開俊郎, 丸林徹, 松角康彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は65歳女性. 28歳頃より出現した右上肢の企図振戦, めまい, 更に65歳になって発症した痙攣発作を主訴に来院. 神経学的には右上肢の協同運動障害と企図振戦が認められた. 脳波では右中心頭頂部に棘波を認めた. CT上右小脳半球に造影により増強効果を認める不整形low density areaが証明された. 脳血管写では, VAG静脈相において右小脳半球に多数の小静脈が中心を走る1本のinferior vermian veinに集合し, これがCaput medusae様を呈しており静脈性血管腫の典型所見と思われた. 右CAGにて, C_1 からC_2 portionにかけてwide neckのsaccular aneurysmが認められた. 焦点性脳波異常については臨床検査上のfocusとなるような所見は証明できなかったが, cryptic angiomaその他の異常な潜在も否定できない. このような静脈性血管腫と動脈瘤の合併例の報告は, 我々が調べた範囲では発見できなかった. 珍しい症例と思われ報告した.
ISSN:0470-8105