血中ACTH高値を呈したempty sellaの1例

今回我々は視力低下, 肥満を訴え, 更に血中ACTH高値を呈し, 一見Cushing病を思わせたempty sellaの1例を経験したので, empty sellaにおける血中ACTH高値について若干の検討を加え報告した. 症例は62歳女性. 約1年前より視力低下に気づく. また体重増加もみられた. 1983年3月, 他院受診しCushing病を疑われ当科に精査入院となる. 入院時頭重感, 視力低下を認めた. また血中ACTH値は266pg/dlと高値を呈したが, 内分泌学的諸検査からCushing病は否定された. Metrizamide cisternographyにてempty sella...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.252-252
Hauptverfasser: 楠元和博, 友杉哲三, 由比文顕, 上津原甲一, 朝倉哲彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回我々は視力低下, 肥満を訴え, 更に血中ACTH高値を呈し, 一見Cushing病を思わせたempty sellaの1例を経験したので, empty sellaにおける血中ACTH高値について若干の検討を加え報告した. 症例は62歳女性. 約1年前より視力低下に気づく. また体重増加もみられた. 1983年3月, 他院受診しCushing病を疑われ当科に精査入院となる. 入院時頭重感, 視力低下を認めた. また血中ACTH値は266pg/dlと高値を呈したが, 内分泌学的諸検査からCushing病は否定された. Metrizamide cisternographyにてempty sellaと診断した. 血中ACTH値は徐々に下降し92pg/dlとほぼ正常範囲内に帰したため退院となったが, その後200pg/dlと再び上昇していた. 本例の血中ACTH高値についての機序は不明であるが, microadenomaの存在も無視できず, 今後も注意深く経過観察を行っていく予定である.
ISSN:0470-8105