Frontoethmoidal lipomeningoceleの1例

頭蓋内脂肪腫はまれな疾患であり, 更に前頭部頭蓋破裂を伴っているものは文献的にも極めてまれである. 我々は最近, 前頭部頭蓋破裂を伴った頭蓋内脂肪腫を経験したので報告した. 症例は1生日の女児. 在胎38週で分娩状態に何ら異常なく頭位正常分娩にて出生した. Apgar score 9点で, 出生時体重2, 840gと成熟児であった. 理学的には何ら異常なかったが, 鼻根部より前頭部にかけて正中上に比較的健常な皮膚をかぶった軟らかい腫瘤がみられた. 痙攣発作や四肢の運動知覚(痛覚)障害はみられなかった. 133日目に前頭部腫瘤摘出術, 355日目に両側眼窩移動術を試みた. なお両手術後の経過は良...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.243-243
Hauptverfasser: 小西淳, 正島和人, 森高一彦, 林隆士, 前原史明, 宇都宮英綱, 橋本武夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:頭蓋内脂肪腫はまれな疾患であり, 更に前頭部頭蓋破裂を伴っているものは文献的にも極めてまれである. 我々は最近, 前頭部頭蓋破裂を伴った頭蓋内脂肪腫を経験したので報告した. 症例は1生日の女児. 在胎38週で分娩状態に何ら異常なく頭位正常分娩にて出生した. Apgar score 9点で, 出生時体重2, 840gと成熟児であった. 理学的には何ら異常なかったが, 鼻根部より前頭部にかけて正中上に比較的健常な皮膚をかぶった軟らかい腫瘤がみられた. 痙攣発作や四肢の運動知覚(痛覚)障害はみられなかった. 133日目に前頭部腫瘤摘出術, 355日目に両側眼窩移動術を試みた. なお両手術後の経過は良好で, 現在のところ知能及び運動発達に異常はみられない. 組織学的には比較的成熟な脂肪組織が主体で, 一部に硬膜, 軟膜組織を混入しており, frontoethmoidal lipomeningoceleと診断した.
ISSN:0470-8105