同様な経過を呈した末梢性後下小脳動脈瘤の高齢者の2症例

症例1:71歳女性. 頭痛にて発症. 当科受診直後, 再発作にて昏睡状態を呈したため呼吸管理を要した患者で, CTにてクモ膜下出血と診断された. 左VAGで後下小脳動脈のlateral medullary seg. とposterior medullary seg. の移行部に末梢性動脈瘤があった. 意識レベルが改善したが, 14日目に再出血をきたし緊急根治術を施行したが, 術後10日目に死亡した. 症例2:74歳男性. 頭痛にて発症. 救急車にて搬送中再発作を呈し昏睡状態で当科受診. CTにてクモ膜下出血と診断. 左VAGにて左後下小脳動脈のsuperior retrotonsilar se...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.231-231
Hauptverfasser: 原邦忠, 本田英一郎, 鳥越隆一郎, 東健一郎, 大鶴力津康
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:症例1:71歳女性. 頭痛にて発症. 当科受診直後, 再発作にて昏睡状態を呈したため呼吸管理を要した患者で, CTにてクモ膜下出血と診断された. 左VAGで後下小脳動脈のlateral medullary seg. とposterior medullary seg. の移行部に末梢性動脈瘤があった. 意識レベルが改善したが, 14日目に再出血をきたし緊急根治術を施行したが, 術後10日目に死亡した. 症例2:74歳男性. 頭痛にて発症. 救急車にて搬送中再発作を呈し昏睡状態で当科受診. CTにてクモ膜下出血と診断. 左VAGにて左後下小脳動脈のsuperior retrotonsilar seg. の分枝部に末梢性動脈瘤が存在し根治術を施行したが, 意識改善せず80日目に死亡した. 末梢性後下小脳動脈瘤は全脳動脈瘤中0.5~1.0%とされているが, 今回我々は2症例を経験した. これらの予後不良の要因となった(1)部位的要因(脳幹部に近接), (2)年齢(高齢者), (3)再出血(壁が薄く再出血をおこしやすい), (4)脳室内出血, を考察した. 重症脳血管攣縮はきたしにくく再出血をきたしやすいため早期手術を推奨する.
ISSN:0470-8105