出血で発症した小脳astrocytomaの1例

症例は53歳男性. 1981年4月12日, 突然の頭痛と歩行障害で発症し, 5月8日当科に入院した. 神経学的所見では右水平性眼振と失調性歩行があり, CT scanでは左小脳半球にring enhancementを有するlow density areaを認めた. 後頭蓋窩腫瘍を疑い, 同年6月10日開頭術を行った. 左小脳半球に血腫があったが腫瘍組織は認められなかった. 術後6ヵ月目に再発し, 増大傾向を示したため再手術を行った. 組織学的に小脳astrocytoma(grade III)であった. 1983年までに小脳astrocytoma grade III and IVの報告は68例あ...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.227-227
Hauptverfasser: 堀本長治, 米倉正大, 森山忠良, 北島陽夫, 寺本成美, 藤井秀治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は53歳男性. 1981年4月12日, 突然の頭痛と歩行障害で発症し, 5月8日当科に入院した. 神経学的所見では右水平性眼振と失調性歩行があり, CT scanでは左小脳半球にring enhancementを有するlow density areaを認めた. 後頭蓋窩腫瘍を疑い, 同年6月10日開頭術を行った. 左小脳半球に血腫があったが腫瘍組織は認められなかった. 術後6ヵ月目に再発し, 増大傾向を示したため再手術を行った. 組織学的に小脳astrocytoma(grade III)であった. 1983年までに小脳astrocytoma grade III and IVの報告は68例あり, またgliomaにおける頭蓋内出血の頻度は3.8%~4.5%であり, 本例のように小脳出血で発症したastrocytomaは非常にまれであった. また腫瘍内出血の要因を考察した.
ISSN:0470-8105