脳内動脈瘤を合併した頸部頸動脈狭窄の1例

症例は56歳女性で, 数回の左半身脱力発作を主訴として来院. 脳血管写にて両側頸部頸動脈狭窄と右中大脳動脈瘤及び左内頸動脈瘤(海綿静脈洞部)を認めた. 約20年来の高血圧の既往があり, 入院時高血圧(160/100mmHg), 右頸部にbruitが認められた. TIAで発症し, 無症候性脳動脈瘤を合併した頸部頸動脈狭窄例は文献的にはSternの報告を含め18例が報告されている. 全例で内膜切除術(CEA)を行っている. Angiographyでfollow upした結果, CEA後, 特に動脈瘤の増大傾向はなかったとSternは述べており, CEA後, 動脈瘤に対して外科的処置を試みたのは2例...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.226-226
Hauptverfasser: 伊東山洋一, 梶原秀彦, 児玉万典, 松角康彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は56歳女性で, 数回の左半身脱力発作を主訴として来院. 脳血管写にて両側頸部頸動脈狭窄と右中大脳動脈瘤及び左内頸動脈瘤(海綿静脈洞部)を認めた. 約20年来の高血圧の既往があり, 入院時高血圧(160/100mmHg), 右頸部にbruitが認められた. TIAで発症し, 無症候性脳動脈瘤を合併した頸部頸動脈狭窄例は文献的にはSternの報告を含め18例が報告されている. 全例で内膜切除術(CEA)を行っている. Angiographyでfollow upした結果, CEA後, 特に動脈瘤の増大傾向はなかったとSternは述べており, CEA後, 動脈瘤に対して外科的処置を試みたのは2例に過ぎない. しかしCEA後の血流量増加により動脈瘤破裂の危険性が高まることは必然的であり, また最近の動脈瘤に対する手術技法の進歩を考え, CEAよりも動脈瘤clippingを優先するべきだと結論し, 右中大脳動脈瘤clippingに続き右CEAを行って良好な結果を得た. 文献的考察を加え自験例を報告した.
ISSN:0470-8105