頭蓋骨に発生したpilar cystと考えられた1例
Pilar cystは毛胞の外毛根鞘由来の嚢腫といわれ, 主として頭皮に発生するが, 頭蓋骨に発生したとの報告は本例が第1例目と思われる. そのpathogenesis, 類上皮腫との鑑別などにつき, 若干の文献的考察を加え報告した. 症例は26歳男性. 10歳時に, 前頭部を打撲した際, 同部に小腫瘤があることを自覚. 自覚症状がないため放置していたが, 次第に増大するため当科を受診. 初診時, 前頭部正中に4.5×4cmの弾性硬の腫瘤を触知し, 頭蓋単純撮影上前頭骨正中に直径10mmの辺縁硬化を伴う骨欠損像が認められた. CTでは頭皮下に吸収係数45の均一なdensityの嚢腫状陰影を認め...
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Veröffentlicht in: | Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.206-206 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Pilar cystは毛胞の外毛根鞘由来の嚢腫といわれ, 主として頭皮に発生するが, 頭蓋骨に発生したとの報告は本例が第1例目と思われる. そのpathogenesis, 類上皮腫との鑑別などにつき, 若干の文献的考察を加え報告した. 症例は26歳男性. 10歳時に, 前頭部を打撲した際, 同部に小腫瘤があることを自覚. 自覚症状がないため放置していたが, 次第に増大するため当科を受診. 初診時, 前頭部正中に4.5×4cmの弾性硬の腫瘤を触知し, 頭蓋単純撮影上前頭骨正中に直径10mmの辺縁硬化を伴う骨欠損像が認められた. CTでは頭皮下に吸収係数45の均一なdensityの嚢腫状陰影を認めたが, 頭蓋内病変は存在しなかった. 手術により腫瘤を全摘したが, 腫瘤は薄い被膜を有する嚢腫で, 乳白色の液体を含有し骨膜下に存在しており, 頭蓋内との交通性は認めなかった. 摘出標本の病理学的検索でpilar cystと診断された. |
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ISSN: | 0470-8105 |