三叉神経痛をもって発症した硬膜動静脈奇形の1例

硬膜動静脈奇形は現在まで多数報告されているが, 我々の調べ得た範囲では, 三叉神経痛をもって発症したものはいまだ報告されていない. 後頭蓋窩動静脈奇形の初発症状は耳鳴りが大多数を占め, その他頭痛, 視力障害, 脳血流のstealによる巣症状, 精神症状, クモ膜下出血等が一般的である. 本症例は三叉神経痛をもって発症し, 軽度の頭痛は訴えたものの耳鳴りを呈さず, 聴診上も血管雑音の聴取が得られなかった点で特異なものであったといえよう. 一方, 術中所見よりnidusがC-P angleに突出し, 三叉神経のentry zoneを圧迫していることが確認できnidusのtrapping, 三叉神...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.193-193
Hauptverfasser: 清家真人, 森惟明, 織田祥史, 内田泰史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:硬膜動静脈奇形は現在まで多数報告されているが, 我々の調べ得た範囲では, 三叉神経痛をもって発症したものはいまだ報告されていない. 後頭蓋窩動静脈奇形の初発症状は耳鳴りが大多数を占め, その他頭痛, 視力障害, 脳血流のstealによる巣症状, 精神症状, クモ膜下出血等が一般的である. 本症例は三叉神経痛をもって発症し, 軽度の頭痛は訴えたものの耳鳴りを呈さず, 聴診上も血管雑音の聴取が得られなかった点で特異なものであったといえよう. 一方, 術中所見よりnidusがC-P angleに突出し, 三叉神経のentry zoneを圧迫していることが確認できnidusのtrapping, 三叉神経の減圧にて激痛発作の完全消失をみたことより, 本症例の原因が硬膜動静脈奇形にあったことは明らかである. 以上, 耳鳴りを呈さず, 三叉神経痛をもって発症した硬膜動静脈奇形の1例を報告した.
ISSN:0470-8105