外傷性脳室内出血のCT所見と予後

頭部外傷急性期のCTで, contusional hemorrhageやsubdural hematomaを伴わず脳室内出血のみを認めた6例を対象として検討した. 来院時のGCSは6例中4例が4以下の重症例であり, 全例とも保存的に治療した. 急性期CTでは, 3例が一側側脳室に限局するタイプで, 残る3例には両側側脳室及び第三, 第四脳室にも出血を認めた. 出血の程度としては, 破裂脳動脈瘤や脳内血腫脳室穿破例にみられるような脳室に鋳型状に充満する血腫を示すものはなく, また脳室拡大を伴う例も認められなかった. 予後は6例中3例が2日以内に死亡し, 3例は良好な回復を示した. これを急性期C...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.179-180
Hauptverfasser: 二階堂雄次, 下村隆英, 堀池信雄, 平林秀裕, 宮本誠司, 京井喜久男, 内海庄三郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:頭部外傷急性期のCTで, contusional hemorrhageやsubdural hematomaを伴わず脳室内出血のみを認めた6例を対象として検討した. 来院時のGCSは6例中4例が4以下の重症例であり, 全例とも保存的に治療した. 急性期CTでは, 3例が一側側脳室に限局するタイプで, 残る3例には両側側脳室及び第三, 第四脳室にも出血を認めた. 出血の程度としては, 破裂脳動脈瘤や脳内血腫脳室穿破例にみられるような脳室に鋳型状に充満する血腫を示すものはなく, また脳室拡大を伴う例も認められなかった. 予後は6例中3例が2日以内に死亡し, 3例は良好な回復を示した. これを急性期CT所見との関連から検討すると, 予後良好例は全て側脳室に出血が限局する例であった. なおfollow upCTではfocal contusionやsubarachnoid hemorrhageの所見が得られた. 以上, 外傷性脳室内出血の6例を報告すると共に, その発症機序についても考察を加えた.
ISSN:0470-8105