脳原発性reticulum cell sarcomaの1例

脳内reticulum cell sarcomaは全脳腫瘍中約1%内外をしめるにすぎないまれな疾患であるといわれているが, 近年その報告例が欧米において増加しつつある. 症例は62歳男性で, 傾眠傾向, 頭痛及び右hemiparesisを訴え来院した. CT scanにて左視床及び橋脳に発生した腫瘍を確認し, 化学療法(ACNU, クレスチン)にて軽快し, 軽度の右hemiparesisを残し退院した. 約2ヵ月後に右hemiparesisが強くなり, 記銘力障害出現したが放射線治療及び化学療法にて軽快した. 約1年後, 痙攣重積状態にて入院し約2ヵ月後に死亡した. 病理解剖にて左右後頭葉,...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.160-160
Hauptverfasser: 尾崎文教, 原田泉, 嶋本嘉克, 竹綱晟記, 藪下隆三, 木戸拓平, 岸政次
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:脳内reticulum cell sarcomaは全脳腫瘍中約1%内外をしめるにすぎないまれな疾患であるといわれているが, 近年その報告例が欧米において増加しつつある. 症例は62歳男性で, 傾眠傾向, 頭痛及び右hemiparesisを訴え来院した. CT scanにて左視床及び橋脳に発生した腫瘍を確認し, 化学療法(ACNU, クレスチン)にて軽快し, 軽度の右hemiparesisを残し退院した. 約2ヵ月後に右hemiparesisが強くなり, 記銘力障害出現したが放射線治療及び化学療法にて軽快した. 約1年後, 痙攣重積状態にて入院し約2ヵ月後に死亡した. 病理解剖にて左右後頭葉, 左側頭葉, 左右視床, 脳幹部, 小脳, 下垂体, 脳梁, 髄膜に拡がったreticulum cell sarcomaを確認した. 我々は発症より全経過約2年間の本患者の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告した.
ISSN:0470-8105