脳幹部腫瘍2例における聴性脳幹反応の経時的観察
1970年のJewett, Sohmer等の報告以来, 聴性脳幹反応(以下ABSR)に関する基礎的実験や臨床応用が数多くなされている. 脳幹障害の局在診断, 重症頭部外傷, 聴神経腫瘍の診断などに広く活用されており, とりわけ神経放射線学的に診断のつきにくい脳幹障害の機能的診断には鋭敏な反応を示す. 今回我々は小児の橋腫瘍2例に対し, CT及びABSRにて経過を観察し興味ある所見を得た. 2例共に放射線, 化学療法を行い, 神経症状も寛解, 増悪を繰り返したが, それに対応してABSRでもIII~V波を中心に変化を示した. 本患者に対して, 形態的変化を示すCTだけでなく, 機能的変化を示すA...
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Veröffentlicht in: | Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.149-149 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1970年のJewett, Sohmer等の報告以来, 聴性脳幹反応(以下ABSR)に関する基礎的実験や臨床応用が数多くなされている. 脳幹障害の局在診断, 重症頭部外傷, 聴神経腫瘍の診断などに広く活用されており, とりわけ神経放射線学的に診断のつきにくい脳幹障害の機能的診断には鋭敏な反応を示す. 今回我々は小児の橋腫瘍2例に対し, CT及びABSRにて経過を観察し興味ある所見を得た. 2例共に放射線, 化学療法を行い, 神経症状も寛解, 増悪を繰り返したが, それに対応してABSRでもIII~V波を中心に変化を示した. 本患者に対して, 形態的変化を示すCTだけでなく, 機能的変化を示すABSRを併用することにより, 一層, その病態が把握されるものと考えられた. 我々の経験した2例を呈示し, 若干の考察を加えて報告した. |
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ISSN: | 0470-8105 |