頭蓋内血管狭窄を伴った側頭動脈炎の1例

今回我々は, 側頭動脈炎と診断し, その経過中に頭蓋内血管の狭窄を認めた1例を経験したので報告した. 症例は74歳男性で, 言語障害, 右片麻痺にて発症した. 入院時, 運動性失語, 右片麻痺を認め, 血液検査では著明な炎症反応を認めた. 入院後, 約1ヵ月間の内科的加療を行ったが, 症状は改善しないためSTA-MCA吻合術を試みた. しかし, STAはその末梢で完全に閉塞しており, 吻合は不可能であった. このとき採取したSTAの組織所見では巨細胞性動脈炎であった. 脳血管写所見は, 入院時, 左内頸動脈は頸動脈管部にて約90%の狭窄を認め, 左側STAは起始部のみ造影され, 椎骨動脈は両側...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.137-137
Hauptverfasser: 中田潤一, 岡伸夫, 西嶌美知春, 遠藤俊郎, 高久晃, 神山和世
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回我々は, 側頭動脈炎と診断し, その経過中に頭蓋内血管の狭窄を認めた1例を経験したので報告した. 症例は74歳男性で, 言語障害, 右片麻痺にて発症した. 入院時, 運動性失語, 右片麻痺を認め, 血液検査では著明な炎症反応を認めた. 入院後, 約1ヵ月間の内科的加療を行ったが, 症状は改善しないためSTA-MCA吻合術を試みた. しかし, STAはその末梢で完全に閉塞しており, 吻合は不可能であった. このとき採取したSTAの組織所見では巨細胞性動脈炎であった. 脳血管写所見は, 入院時, 左内頸動脈は頸動脈管部にて約90%の狭窄を認め, 左側STAは起始部のみ造影され, 椎骨動脈は両側とも多発性の狭窄を認めたが, 頭蓋内血管には明らかな狭窄は認められなかった. しかし, 約2ヵ月後のfollow up studyでは, 新たに左中大脳動脈の全般性の狭小化の所見が出現した.
ISSN:0470-8105