急性後頭蓋窩硬膜下血腫の治験例

外傷性急性後頭蓋窩硬膜下血腫の1治験例を報告した. 症例は11歳女児. 受傷後約1時間半の意識清明期の後に, 急速に進行する意識障害と左Millard-Gubler症候群を経て, 右除脳硬直を示すに至った. 頭蓋単純写にて左後頭骨の線状骨折を認め, 受傷45分後のCTではテント周辺の高吸収域を認めたが, mass effectを示す血腫は認められなかった. 受傷2時間後のCTでは明らかなmass effectを示す左後頭蓋窩硬膜下血腫と左小脳内血腫を認めた. 受傷3時間後の手術所見では硬膜下血腫, 左小脳内血腫が認められ, 血腫を除去した. 出血点は小脳表面の小動脈であった. 患者は受傷後2ヵ...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.129-129
Hauptverfasser: 倉内学, 郭隆燦, 伊東正太郎, 江守巧, 角家暁
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:外傷性急性後頭蓋窩硬膜下血腫の1治験例を報告した. 症例は11歳女児. 受傷後約1時間半の意識清明期の後に, 急速に進行する意識障害と左Millard-Gubler症候群を経て, 右除脳硬直を示すに至った. 頭蓋単純写にて左後頭骨の線状骨折を認め, 受傷45分後のCTではテント周辺の高吸収域を認めたが, mass effectを示す血腫は認められなかった. 受傷2時間後のCTでは明らかなmass effectを示す左後頭蓋窩硬膜下血腫と左小脳内血腫を認めた. 受傷3時間後の手術所見では硬膜下血腫, 左小脳内血腫が認められ, 血腫を除去した. 出血点は小脳表面の小動脈であった. 患者は受傷後2ヵ月で, 上方視の際のup-beatの眼振を残すのみで独歩退院した. 受傷6ヵ月後の現在, 元気に通学している. 急性後頭蓋窩血腫の予後は一般に不良であるが, 手術の時期を失することのないよう臨床経過とCT所見の経時的観察が重要である.
ISSN:0470-8105